Scribble at 2022-06-03 19:04:16 Last modified: 2022-06-04 08:34:17

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Google Sitesにはとても期待していたのですが、機能的なサイトを作成できないため、がっかりしてしまいました。場合によってはとても役立つ機能がいくつかありますが、個人サイトやビジネスサイトを作りたい場合はデザインや機能が豊富なWixなどのビルダーの方が適しています。

レビューと専門家の意見 Google Sites

こういうのをネット・スラングで「アフィカス・サイト(客観的なレビュー・サイトの体裁でもアフィリエイト目的が見え見えのカスみたいな広告サイト)」と言う。WiX や SquareSpace といったサービス、つまりウェブサイトの作成機能を備えたホスティング・サービスへ誘導するために、既存の大手のサービスを敢えて理由がなかろうと、あるいは根拠が弱かろうと、無理やり DIS っているわけだ。そして、たいていこういう記事を「執筆」なさっているお歴々というのは地球上に存在しない人物であり、写真も thispersondoesnotexist.com で生成したイカサマだったりする。なお、この実在しない人物写真のサイトで生成した写真は顔の角度や表情がワンパターンなので、或る程度の数をこなせば、ここで生成した写真かどうかわかるようになるのだ(このサイトで僕自身も何千枚と人工の人物写真を生成した経験がある。なので、machine learning ならぬ〈生身の学習〉で得た経験則がある)。

ウェブサイトの制作とかデザインの仕事に携わりたいと志望している方々には、特に言っておくべきことだと思うが、オリジナルのウェブサイトが「個性的」であるべきだという価値観は、プロのデザインという観点で言えば偏っているということを学ぶべきだし、早く気づくべきだ。しかも、Google Sites の用途は Microsoft の SharePoint などと同じくドメスティックな範囲での公開に限られていたりすることも多い(もともと Google Sites は中小企業向けのサイト作成ツールとしてリリースされて、後に Google に買収されたという経緯がある)。そして、社内で公開するウェブサイトにオリジナリティだの専用のテーマだのは、僕のような Google Sites の運用だけでなくデザインまでやれるバック・オフィスの人材がいればいいが、そんな幸運(もちろん、それらをどちらも或るていどのレベルでやれる人間なんてバック・オフィスの人材では10,000人に一人もいない)を当てにして Google Sites を使おうとしたり人材を雇用するなどというのは時間の無駄でしかない。僕のような人材をたまたま引き当てられなかった大多数の企業は、そういう意味では不運ではある。しかし、これも重要なことだが、規格外の才能をもつ人間がいなくても企業は儲かるし、上場もできる。そんなことはビジネスの成功とは全く無関係なのである。

で、ビジネスの理屈から言えば、そのまま金儲けに効果がないような出費や施策は全て、ペンを1本買うことであろうと、あるいはオリジナルのデザインでコーポレート・サイトを制作することであろうと、何らかの理由でやる投資や経費であるか、あるいは無駄遣いでしかない。学生や脱サラ人間やママの遺産などで冗談みたいなベンチャーを始めるなら事業継続性などゼロに等しいから勝手に初めて勝手に倒産すればいいが、まともな社会人がやる企業活動において事業継続性を無視した施策は愚行でしかないし、そういう会社が赤の他人を雇うのは不道徳・不誠実ですらある(たいてい、会社が半年や1年しかもたないと分かって入社する人間などいない)。よって、無駄遣いをしてよい企業など(子供の遊びみたいな起業ごっこを除けば)ありえないのだ。

自社内だけで利用するウェブサイトにオリジナルで「個性的」なデザインが必要だという理屈は、単なる身勝手な趣味や思い込みとして言っているのでなければ、例えば企業内のブランディング施策の一環であるという理由がありえる。そういうブランディングは、企業としての理念や目標が明確であればなおさら、大手だろうとベンチャーだろうと、あるいは100年の歴史があろうと昨日設立したばかりだろうと、業容や沿革の長さに関係なく効果的に(言わば社内を統制する集団催眠としても)実装することが望ましいと言える。役職者や役員が日頃から表向きと内向きで違うことを言っていれば、末端の社員も外向きの理屈を建前として身に着けるようになり、そして遅かれ早かれ建前を信奉している〈良い社員〉だという錯覚に陥るだけで、実際には全く信じなくなる。あるいは、そういう志向の会社そのものを信用できずに出て行ってしまうかのどちらかだ。すると、酷く簡単な話になるが、そういう会社には分裂した(真面目にものを考えない)人間か、あるいは単なる嘘つきしか残らないため、そのへんに掃いて捨てるほどある口八丁だけの営業代理店のような、平均して10年も続かない会社が出来上がる。社内向けのブランディングは必要だが、本気でやらなければ逆効果だ。

しかしながら、社内向けのブランディング、とりわけウェブサイトの体裁に度を越えた資金を投じるのは馬鹿げていると言える。そもそも人が商品や企業を(顧客であれ内部の社員であれ)信頼するのは、その商品やコーポレート・サイトがデザインとして独創的だったり美しいからではないからだ。デザインが視覚的な要素として目立つというだけで、優れたデザインが必須であるか最大の要素であるように錯覚する人は多いし、とりわけウェブでは、何といっても大半のデザイナー自身にそういう錯覚を起こしている者が多いという悲惨な状況にある。でも、ウェブサイトのデザインが「個性的」かどうかなんて、コンテンツの適切さや正確さや使い勝手の良さといったポイントに比べたら、プロのデザイナーとしても言わせてもらうが、そんなことはどうだっていいのだ。顧客の大半は、或るコーポレート・サイトのデザインが独創的かどうか、つまり他に見たことがないかどうかなんて、実際のところ覚えていないし興味もない。物事の本当に大切な優先順位を考えずに、目立つことから手を付けて体裁を取り繕っても、大切なことは人には届かない。

実際、WiX や SquareSpace で作成されたサイトなんて、誰も知らないだろう。デザインしか取り柄のない無能が何を公開していようと・・・敢えて言おう、カスであると。

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