Scribble at 2020-07-18 22:41:33 Last modified: 2020-07-18 22:47:19

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ホーム画面の管理アプリケーション(定期的に注釈するが、僕は「アプリ」というハナ垂れ小僧が口にするような日本語が嫌いなので、必ず「アプリケーション」と書く。なので、この場合は「ホームアプリ」と呼ばれることが多い Android 用のソフトウェアを「ホーム画面の管理アプリケーション」などと回りくどく表現しているわけだが、別にわざと分かり難く書いているわけではない)を、ディフォールトの AQUOS Home から ADW Launcher に替えた。その前に、評価の高かった Smart Launcher と、Microsoft Launcher も入れてみた。

ホーム画面の管理アプリケーションは、Windows や macOS のような GUI の OS では Windows shell (Explorer) や Finder が該当する。そして、スタート・メニューとかタスク・バーとかデスクトップ・アイコン、コンテクスト・メニュー、サイドバー、仮想デスクトップ、あるいは壁紙などを管理している。このようにグラフィカルなユーザ・インターフェイスの環境では、アイコンをタップするとか直感的な操作で決まった命令を実行できることが第一の主眼であるため、直感的な操作を難しくするような制約だとか、スマートフォンを使う大多数のユーザにとってのアフォーダンスに違反するような操作性やリアクションをディフォールトで盛り込んだり作りこんでいる場合は、こういうアプリケーションが本来は「アプリケーション」ではなくシェルであるという原則から考えると、問題外と言っていいだろう。たとえば、アイコンをタップしてもショートカットの設定画面が出てきて、目当てのアプリケーションを起動するにはアイコンを左へドラッグしなくてはいけないという仕様になっていたら、誰でも不愉快を覚えて、こんな操作方法を覚える気にもならない筈である。

というわけで、ホーム画面の管理ア・・・まぁ自分でタイプしていても長すぎてウンザリするので「ホーム管理」と言い換えるが(前段で述べたように、この手のソフトウェアはアプリケーションというよりもシェルに近いからだ)、ホーム画面を値踏みするときの基準として次のような着眼点を置いている。(1) ホーム画面のアイコン配置の自由度、(2) アプリ・ドロワーのアイコン配置の自由度、(3) ホーム画面に表示するフォルダの表示方法、(4) アイコンやフォルダのテキスト・ラベルの自由度、(5) ホーム画面を複数作成できるかどうか、(6) ディフォールトのホーム画面以外の画面に表示するものが固定されていないこと、(7) アプリケーションを起動する際の挙動、(8) ホーム画面やアプリ・ドロワーの画面等を切り替える際の挙動、(9) ウィジェット配置の自由度、(10) 利用方法や課金方法(広告表示があるかどうか。待ち受け状態から復帰するときに広告が出るものもある)、(11) パーミッション(Google Play の表示だけで信用するわけでもないが)。基本はアイコンやウィジェットの配置にどれくらいの自由度があるかを見ている。もちろんシェルでもあるから、動作が安定していて不必要な表示を勝手に出さない(いくら広告モデルであろうと、デスクトップに広告を表示するようなものは論外である)といった条件は必須と考えて、敢えて列挙していない。

まず Smart Launcher は、確かにダウンロード数が多いのも分かる良いアプリケーションだと思うけれど、ホーム画面にアイコンを配置する方法が意外に自由度のない窮屈な仕様だった(並び方が決まっている「クイックスタート」という方法でバブルアイコンを並べるしか方法がない)。シンプルにホーム画面を使えるのはいいと思うので、あれこれとカスタマイズする必要がない人にはお勧めできる。なお、このクイックスタートのバブルアイコンやショートカットは好きに並び替えられないという制約もあることに注意したい。

次に Microsoft Launcher も評価は悪くないようだ。実際、かなり色々なカスタマイズができる。完全無料で広告も表示しない。もちろん、その代わりに初期のホーム画面には Bing の検索バーがしっかり表示されているものの、これくらいは許容の範囲だろう。というか、最近は Google 検索よりもマシな結果が出るので、寧ろ Android というだけで Google 検索のバーを使わされるよりもいい。アイコンやフォルダやウィジェットの表示や配置方法も特に窮屈な制限があるというほどでもないから、簡単にオリジナルのホーム画面を導入したい方には勧められる。しかし総括して言えば、AQUOS Home と大して使い勝手も見栄えも変わらない。わざわざ AQUOS Home から替えて使うほどの意味があるかどうかは微妙だ。

そして最後に ADW Launcher は、もともと何回か機種変更してきた昔のスマートフォンから使い続けてきたホーム管理なので、或るていどは愛着もある。しかも、ADW Launcher はアップグレードして有料版を使っていたため、どうしても最初から他のホーム管理に比べて評価は高くなる。そして、実際に今回も最後に選んだのは ADW Launcher だった(ただし、いまのところは挙動が安定するかどうかを見ているので、アップグレードの料金は払っていない。というか、どうも機種変更すると Google のアカウントが同一でもアップグレードしたステータスが消えるらしい)。ホーム画面のカスタマイズの自由度は他のホーム管理と同等以上であり、画面を切り替える際のトランジション効果も、無料版では限られているものの、幾つかの中から選べるのは ADW Launcher だけである。ただし、問題がないというわけではない。例えば、設定画面の UI は一貫性がなく、右上のチェック・マークをタップしないと設定が有効にならない(つまり保存されない)画面と、項目をタップするだけで設定が有効になって保存される Mac 風のルールとか混在している。それから細かいことだが、「ボトムパネル」(画面の一番下にあり、ホーム画面を左右に切り替えてもアイコンが固定されている表示領域)の背景色の透明度が全く反映されないし保存もされないという明白なバグが何年も放置されているようだ。そもそも ADW Launcher は2年前にアップデートが停止している。そして、これ自体も将来は確実に不安材料にはなるのだろう。開発が停止してしまっている限り、そのうち Android が ADW Launcher の動作しなくなるような API に変更されるのは目に見えているからだ。

よって、いまのところは ADW Launcher を再び選んで暫定的に使っている。他のホーム管理を物色したほうがいいかもしれないのだが、他のホーム管理にしても開発が止まる可能性はあるし、Microsoft も Android というプラットフォームでアプリケーションの公開を続けるだけのインセンティブがなくなれば、さっさと開発をやめてしまう可能性はある。ということは、その機種に最初から入っているホーム管理を使うのが最も安全な選択ということになる。メーカーが Android に入れてくるホーム管理は、やはりメーカーの思惑によって微妙な違いがあって、場合によっては(昔なら、あの mixi とかの)抱き合わせ販売的なアプリケーションを root でも取らない限り削除できない体裁で載せてくるため、たいていは面倒臭いものではあるが。

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