Scribble at 2022-11-03 10:21:07 Last modified: 2022-11-04 23:53:08

やはり Visual Studio Code は、僕の道具として相応しくない。下らない理由で設定をいじくりまわしたりトラブルシュートで検索するのも面倒になってきたので、もうさきほどアンインストールした。

この IDE がダメな理由は幾つもあるが、とにかく使っていて煩わしいのが autocomplete（従来の自動補完）と、VSCode の独自機能である "accept suggestion" というリアルタイムの挿入機能だ。この accept suggestion が有効になっていると、タイプしている文字列にドキュメント内でマッチする文字列を候補として出してくる。そして、タイプしている途中でリアルタイムに出てくるため、間違って何らかの候補を選んでしまい、気が付いたら出鱈目な文字列が続いていたということになっていたりする。プログラミングしている人間や文章を書いている人間、ともかくエディタで何事かをタイプしている者にとっては、まったく邪魔でしかない。マイクロソフトの伝統芸能とも言えるパターナリズムの官僚思考による設計なのだろうが、こんなものを果たして初心者であろうと求めていたり効果的に使えるものなのだろうか。

ともかく、俺にはいらない。autocomplete だろうと何だろうと、幼稚園児じゃあるまいし、プロのエンジニアが関数のアーギュメントの順番やスペルを忘れたりするものか（逆に、関数のスペルごときを忘れてしまえば引退だ）。でも、これで Brackets も Atom も VSCode も使えないとなると、なんだやっぱり xyzzy か、画面表示がかなり遅いけれどかろうじて Notepad++ しかないのかという話になりそうだ。もちろん、それでもいいと言えばいいのだが（xyzzy に不足を感じるのは、実際のところワークスペースのファイル一覧がないことだけだ）、できれば開発が続行しているツールも見ておきたい。もう少し探してみよう。

まず PyCharm という IDE を入れてみた。これは JetBrains という（同じく Java の業界には "NetBeans" というのもあるので、非常にややこしい）会社がリリースしており、名前からわかるように Python の開発をサポートするものだ。テキスト・ファイル全般を扱えるなら問題ないはずだと思ってインストールしてみたのだが、どうも Python 開発用のグラフィカルなインターフェイスと言ったほうがよくて、テキスト・エディタとしては気楽に使えない印象がある。いわば Eclipse とかの系統だ。ファイルの一覧もワーク・スペースではなくプロジェクトの扱いになるため、Python のコードが配置される前提で UI も設計されており、これは全くテキスト・エディタとしての汎用性がない（それが悪いとは言ってない）。ということで、これも３分ほどでアンインストールだ。

次に、xyzzy を使うよりも前に、それこそ1990年代後半に使っていた（有料版の料金すら払った）NoteTab というスイスの会社がリリースしているエディタを久しぶりに入れてみた。良くも悪くも20年以上前から殆ど変わっておらず、もちろんテキスト・エディタとしての機能は十分にあるのだけれど、どうもエディタ画面のカスタマイズに自由度がなさすぎる。これは、このエディタが質実剛健と言ってもいいパフォーマンス優先の設計思想を持っているからだ。NoteTab には無償版の Free と有償版の Std、そして最上位の Pro という三つのランクがあって、料金を払うと Std / Pro のどちらも使えるようになっているのだが、その理由も Pro だとパフォーマンスを最優先に設計されているため、エディタの画面表示にプロポーショナル・フォントすら受け付けないという仕様になっているからだ。Pro 版のいろいろな機能の一部は使いたいが、プロポーショナル・フォントが使えないのは嫌だというユーザのために Std 版が敢えて妥協点みたいに用意されていると言うべきだろう。こういうスタンスは悪くない。でも、いまどき画面のカスタマイズをしたくらいでパフォーマンスが落ちるほどスペックの低いコンピュータで仕事をする人は少ない。また、そこまでパフォーマンスを考慮しなくてはいけないほど巨大なコードを一つのファイルに書くような人間はいまい。また、いまどき何十ギガバイトものログ・ファイルは、テキスト・エディタで開くようなものではない。