Scribble at 2023-10-25 21:29:49 Last modified: 2023-10-26 09:15:26

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「英語が読める」の9割は誤読 ~翻訳家が教える英文法と語彙の罠

以前も著者の本を読んだことがあり、たいへん勉強になった。今回も、前半は添削みたいになっていて、後半は短いエッセイを集めた読み物だが、やはり参考になることが多かった。たとえば簡単な例として、

"Do you have the time?"

と言われたら、あなたはどう思うだろうか。「いや、いまちょっと忙しいからなぁ」とか「なによ、いきなりナンパなんかして!」と思ったら、それは間違いだ。この場合は、相手に今の時刻を答えてあげなくてはいけない。もしナンパしたり、ちょっと暇潰しに付き合ってほしいなら、

"Do you have time?"

と言うだろう。なお、あなたがアメリカ人に向かって、

"Do you have a time?"

と言ったりしたら、相手はどう思うだろうか。これは、たぶん相手にとっては意味不明だろう。なぜなら、敢えて無理やりに訳すると「1回持ってる?」とか「1度持ってる?」みたいな言い方になってるからだ。1回を持つとか、1度を持つなんて、日本語としても意味不明だろう。

もう一つだけ紹介しておくと、或るヒントをもとに数字を埋めていくクロスワード・パズルのようなものがって、ヒントとして "five to six" とあったらしい。答えは3桁の数字だというが、これは何が正解だろうか。そのパズルはイギリスの本だというから、僕はとっさに建物の階数かと勘違いして 6F = 111, 7F = 127 だから足して 238 かと思ったのだが、これは間違い。建物の階数なら序数だから "fifth to sixth" と書かなくてはいけない。正解は 555 だ(理由は書かないでおく)。

ちなみに、この本を古本なのに(そして新刊書がいまでも販売されているのに)5,000円で販売しているやつがいる。札幌の「なんでもいいですストアー」とかいう屋号のセドラーのようだ。やりとりのコメントを見ると、どうやら注文を受けてから商品を探すタイプの在庫無し系であるから、5,000円で注文がきたら新刊書を2,000円で買って郵送しているのだろう。これは詐欺師と断定してアマゾンに通報した。

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