Scribble at 2023-02-15 13:59:13 Last modified: unmodified
ロシア語を見るのも嫌だという方は増えたのかもしれないが、剃刀については学ぶべきことが多い。このブログにも、幾つかの興味深い記事があった。僕も straight razor を Etsy などで見ていて欲しいなと思ったりするのだが、以下の通り三つの事例に分けて考えると買うまでもないなと思っている。replaceable blade straight razor を使っていればひとまず十分であり、あとは使う人間の技量とかスキン・ケアの知識が重要だと思う。
まず第一に、何の修復もしていないビンテージの剃刀は素人が買うようなものではない。衛生面で不安があるというだけでなく、刃そのものを使えるようにするために追加のお金がかかる。最低でも砥石を何種類か揃えるか、修復できる業者に持ち込まなくてはいけないだろう。よって、Etsy で販売されている旧ソ連時代のビンテージ剃刀を送料込みで5,000円くらいで手に入れることは簡単だが、それが到着したら即座に使える保証など殆どないと思うべきである。
第二に、手入れしてある剃刀は、当然だが手入れしていない商品に比べて高額だ。Etsy でも手入れ済みの剃刀だと桁が一つ増える。いま現在でも DOVO などで製造されている新品の剃刀と変わらないくらいの値段だ。そして、未使用のビンテージ剃刀ならともかく、たいていは研がれている経緯から考えて使える回数は新品の剃刀よりも少ないため、コスト・パフォーマンスは悪い。
そして第三に、DOVO Solingen などから販売されている新品の剃刀は、replaceable blade straight razor に比べて高額である。まともなものなら3万円ていどはかかるし、砥石や皮砥などを揃えると更にコストがかかる。もちろんだが、研ぐ技能を身に着ける必要があるので、買ってすぐに使い出せるかどうかは分からない。
結局、手軽に髭を剃るなら電気シェーバが早いし、もう少しつるつるにしたいなら安全剃刀がいいのは分かり切っているのだ。僕らのような剃刀の愛好者は、敢えて時間や手間やいくらかの余計なコストがかかることを承知で趣味としてシェービングに取り組んでいるのである。