Scribble at 2025-08-22 09:58:07 Last modified: unmodified
Google も折りたたみ式のスマートフォンを発売するということで、うわさでは Apple もリリースを予定しているようだが、僕はこういうクレイジーなスマートフォンは全く眼中にない。もう、こんなのは「折りたためるタブレット」と言ったほうがいいし、「折りたためるスマートフォン」とのあいだに違いがあるのか分からなくなるに決まっている。
ヒトの生理的な限界、つまりは手の大きさや指の長さや視界の中に捉えられるイメージの数や密度といった限界があるので、画面を大きくすればするほど画面の全域に注意が払えなくなる。注意を払う必要がないという前提で GUI が設計されている(はずの)デスクトップ OS なりデスクトップ・マシンとは違って、スマートフォンは原則としてシングル・タスクのデバイスであるため、通話するなら通話、ウェブ・ブラウズするならブラウズと画面全体を一つのタスクに集中させるように UI が設計されているはずであり、不用意に画面を大きくすると、不必要に視界を広くとったり眼球を大きく動かす必要が生じるので、それだけ疲れる原因になる。
僕が PHS やガラケーやスマートフォンを30年以上に渡って使ってきた経験として言えば、まず通話機器としてだけで言えば、既に現行のスマートフォンは大きすぎると思う。iPhone SE の 4.7 inch ですら不必要な大きさだと言える。だが、スマートフォンは「スマート(高度)」な機器であるため、他にもウェブ・ブラウズに使うし、動画を眺めたり、ゲームしたり、あるいは会社の重要な規約文書を作成するのに使ったりするわけで、他の用途も考慮すれば一定の画面サイズは必要だろう。そこは、この20年くらいにわたって携帯性と画面サイズの大きさによる利便性とのバランスを計ってきたのであろうが、おおむね画面サイズを大きくするというトレンドは変わりなく続いてきた。そして、いまのところシャツの胸ポケットに違和感なく入れていられるていどのサイズが、妥当なところだと言える(シャツの胸ポケットに入れることが少ない女性には別の基準があろう)。
だが、こういう折りたたみ式となると、胸ポケットに入るとしても非常に重くて煩わしいし、もちろんその重量で洋服が歪んでしまうから醜悪だ。かといって、パンツの後ろにあるポケットに入れる人を見かけるが、どう考えても危険であろう。第一に、列車内で簡単に抜き取られる恐れがあるし、どこかへ座るときに「ケツ圧」で筐体を破損させる恐れもある(僕は、若い頃に長財布をパンツのポケットに入れたまま座って、カード類を割ったことがある)。
もちろん、こんなものが広く普及するとは思っていない。そもそもミドルレンジのデスクトップ・パソコンが買えるほどの価格帯(30万円弱)だし、いま述べたような理由で眼中にないという人も多いと思っている。それでも、わざわざ製造して販売するからには一定の売上が見込めているわけなので、それだけ世の中には巨大なサイズのスマートフォンを求めている人が多いということは言える。僕の予想では、こういうスマートフォンを求めている人の用途はゲームやイラストの編集など、「フォン」とは関係のない理由であろう。なので、スマートフォンの利用者が三つくらい(他に、iPhone や iPhone SE などのスタンダードな端末を使う人々と、中古品や2万円台の低価格なスマートフォンを使う人々)に分かれてきている結果でもあろう。