Scribble at 2022-02-04 14:03:30 Last modified: 2022-02-04 14:09:03

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一昨年は高校の数学を3年分やって、昨年は殆どおさらいくらいしかやっていなかったのだが、今年は続けて高校の物理を復習することにした。特に電気については、中学時代に夏休みの宿題として文英堂の『最高水準問題集』などを買わされて、山ほど問題を解かされて辟易した印象しか残っていないのだが、いま改めてコンピュータの仕組みを勉強していくと電子工学の基本として更に堅実な知識や素養を身に着けておく必要を感じる。もちろん、システム開発やプログラミングにとって FPGA を扱ったり電気の知識が直に役立つわけではないが、このような素地があって考えるのと小手先の Qiita 情報だけで取り組むのとでは、やはり見ている限りは雲泥の差があると思う。現に、Qiita レベルの小手先情報を積み上げた人間が Google のエンジニアとして西海岸に住んでるなんて話は聞かないが、csh (C Shell) の解説本を書いた安田絹子氏は、いまや Google の上級ソフトウェア・エンジニアとなっている。もちろん、有名企業で肩書をもつことだけが尺度ではないにしても、違う尺度を持ち出すなら明白な業績を示すのが誰にでも伝わる説得力というものだろう。

さて、そういうわけで高校の物理に話を戻すと、数学を勉強しなおしたときとは違って、あれこれと高校の参考書を集める気はない。なぜなら、もともと高校物理の参考書は数学ほど色々と出ているわけでもないからだ。実際、大型書店の学参コーナーへ行けばわかると思うが、物理の参考書は予備校から出ているテキストを合わせても、数学と比べてせいぜい 1/4 くらいしか置かれていない筈だ。というか、これだけ科学だ技術だと言っておきながら、生物や地学はもとより、物理も化学も実際には問題集や参考書の出版点数は貧弱なものである。それゆえ、古すぎて使い物にならない参考書は論外だが、2010年以降に出ているくらいの参考書から選ぶとなると、それほど選択肢は多くない。ただ、そういう中でも僕なりの好みというものがあって、数学ではチャート式の赤などはよく出来ていると思うが、物理のチャート式を買う気はない。僕がアマゾンで古本を買ったのは、『くわしい物理の新研究 三訂版』(萩原茂男/著、洛陽社、2011)だ。

洛陽社という出版社は、どうやら2014年には出版事業をやめてしまったようだが、学習参考書の出版社として長らく堅実な出版事業を展開してきたという。僕も高校時代に『入試頻出7000 英単語の総整理』(改訂20版、1985)という、やたら数多くの英単語が詰め込まれた参考書を使ったことがあり、現在はアマゾンで非常識なプレミア(約10万円)がついているほどだが、値段はともかく価値のある参考書だという点は事実だと思う。また、最近になって筑摩書房が文庫で復刊している小西甚一氏の参考書なども、洛陽社から出ていたものだ。そもそも、この洛陽社は小西氏の学生だった人物が起業した出版社だったという。

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