Scribble at 2023-11-11 09:42:37 Last modified: unmodified
このところ、Hacker News でも「AI サービスを始めた」と称して、実は ChatGPT の API に接続して回答を戻すというだけの JavaScript で動くオモチャみたいなインターフェイスを掲げるバカがアメリカにすらたくさんウジ虫のように出てきている。もちろん、この手の連中は日本にもたくさんいる。弊社にも、いっときは「AI で人材紹介します」みたいなクズ同然のサービスを売り込みにくるメールが山程やってきていたが、そもそも求人サービスも事業の一つとして手掛けている会社、しかもネット・ベンチャーと称している会社に人材紹介も AI もなかろう。
こうした浅薄なインチキを「イノベーション」だの「人助け」だのと錯覚するのは、まぁたいていは「デジタル・ネイティブ」などと言われている小僧どもや、学校を出たらすぐに成金の家庭に嫁入りして、マズロー的な自意識だけが肥大化していて何か社会貢献したがってる主婦とかだ。要するに、「サービス」とか「ビジネス」とか「プロダクト」というものの基本が分かっていない、企業就職したことがない人々である。もちろん、こうした人々のなかから新しい発想が生まれてくるという事例もあるが、まともな実用新案でも100万件に1件といった割合である。そんな博打に社会の尺度を合わせるわけにはいかない。やはり企業就職の経験がない人々の成果は、捨てたりする必要はないとしても、脇に置かれるべきである。そして、上記の記事が警告したり忠告しているように、アメリカでもそいういう安っぽい自意識や社会貢献への意欲だけでガラクタを見せびらかす手合が山のように出てきているわけである。
ともあれ、オンライン・サービスの単なるユーザでしかなく(しかも、実はパワー・ユーザとすら言えない)、ネット・ベンチャーやマーケティング業界において「生活者」だの「カスタマー」だのと呼ばれているが、実質はビジネス・モデルの「ピース」や「駒」にすぎないアリや線虫みたいな予測可能なことしかしない人々というのは、コンピュータ・サイエンスの知識もなければ技術力もない、いやそれどころか自分がオンライン・サービスやコンピュータで何をすることが本当に自分にとって最適なのかを考えることすらない、意識のないロボットのような人々である。要するに、そういう連中こそが安物の AI みたいなものなのである。何か「新しい」と思い込んでやっていることでも、それはたいてい車輪の再発明どころか、他人の車輪に違う色を塗っているにすぎないような行為である。