Scribble at 2022-07-15 14:07:16 Last modified: 2022-07-15 23:28:32

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Statistics published by Fedora for the Extra Packages for Enterprise Linux (EPEL) usage point to a recent surge in Rocky Linux usage -- at least for those with EPEL enabled -- and at least recently appears to surpass the usage for the likes of CentOS Stream, AlmaLinux, and even the RHEL usage with EPEL enabled.

EPEL Statistics Show Recent Surge In Rocky Linux Usage Past AlmaLinux, CentOS Stream

EPEL が有効になっているという条件つきでの統計だが、CentOS の後継としてシェアを計測すると Rocky Linux が圧倒的だという結果が出ている。なお、EPEL は yum などのパッケージ管理ツールを使うときにお馴染みの epel というリポジトリで知られているように、サード・パーティ製のパッケージの一つである(このページで紹介されている統計は、EPEL リポジトリへアクセスしてきたサーバの情報から集計したものだ)。RedHat などのサポートは受けられないが、最新のアップデートとかサーバのパフォーマンスにかかわりがある色々なツールを使えるようになるため、最初から yum と一緒に有効になってたりする RedHat 系列のディストリビューションを提供するレンタル・サーバ会社も多い。

epel のリポジトリを導入して、サード・パーティ製のプログラムを導入するようなサーバ管理者が Rocky Linux だけに多くて AlmaLinux や他のディストリビューションでは少ないと言える根拠はないため、EPEL が有効になっているという条件が、特定のディストリビューションだけに有利となるような結果をもたらす見込みはないのだろう。ともかく、Rocky Linux vs. AlmaLinux という比較だけで言えば、前者は後者の2倍に達している。

それから、上記の記事に掲載されているグラフで注目しておきたいことは他にもある。まず、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は多少の落ち込みがあるけれど、2020年の末から全てのディストリビューションが数を増やしていることだ。これはもちろん CentOS の開発が終了すると発表されて、サーバ管理者がディストリビューションを変更した際に、リポジトリへアクセスするのが当たり前であるから、ディストリビューションを変更する事例が増えてくると数が増えていくのは当然だし、恐らく定期的にリポジトリへアクセスするようなサーバが多い(cron でリポジトリのパッケージ情報をアップデートするのは定番の管理手法だ)ので、リポジトリへのアクセス数は累積してゆく。よって、どんどん増えているわけだが、新規に切り替えた数だとは限らないので、ここで見ているグラフの数に着目するよりも、それぞれの計測対象を相対的に比較する方がよいだろう。

二つ目に、CentOS からの移行対象には他にも選択肢があるため、単純にこれらの RedHat 系の OS だけの結果を見ているだけでは不十分ではあるが(もちろん Windows Server を選ぶ人が全くいないとも限らない)、とりあえず RedHat 系だけで考えてみると、Red Hat Enterprise Linux や Oracle Linux もグラフが伸びているという点にも着目できる。RHEL はサポートのないサーバでも $399(2022年7月15日のレートで約56,000円)のライセンス料が必要で、Oracle Linux は利用だけなら無料だが有償のサポートが提供されていて、Oracle Linux の最も導入しやすいサポートだと年間で £398.55(2022年7月15日のレートで約66,000円)である。つまり、原則としては6万円前後の年間コストがかかるディストリビューションへの切り替えも行われていると考えられる。新規のサーバ構築で最初から RHEL や Oracle を選ぶ事例が、これだけの数に達するとは考えられないからだ(w3techs の2022年7月15日現在の統計でも、CentOS はこの時点でも Linux の中でで9.3%のシェアがあり、RHEL は僅かに0.8%、Oracle Linux は計測不能である)。ということは、オープンで進められている OS なりディストリビューションの開発やサポート体制についての不安を感じるユーザや企業もあったということだろう。CentOS の次に、〈どの無料 OS を使うか〉という視野ではだめだというわけである。理屈としては、当然そういうものもあろうし、サポート費用を継続して捻出できるなら、企業の判断としては特に重大な問題もない妥当な判断であるとも言える。

かたや、東アジアの辺境地帯では、三流のエンジニアとか、あるいは Linux など実はインストールしたこともないであろうコピペ野郎どもが、いまだに Rocky Linux vs. AlmaLinux という短絡的な話をブログなどに延々と書いているらしい。もしあなたにとって「CentOS の代わり」というフレーズが、ただたんに無料の新しい玩具という意味しかないなら、そういう小僧たちの屁理屈を読んで適当にどちらかのディストリビューションを使えばいいと思う。しょせん、OS なりソフトウェアなり仕事の道具なり、あるいは企業であれば投資という観点で、その程度の見識しかないのであれば、そういうヘタレにとってディストリビューションなど何を選ぼうと大して変わりはしない。どのみちそういうエンジニアやブログ書きにとっての Linux サーバなんて、PHP と MariaDB が動いて WordPress をインストールできればいいのだろう。

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