Scribble at 2021-03-19 17:22:22 Last modified: 2021-03-19 18:43:24
堀部政男氏、鈴木正朝氏、上原哲太郎氏、実積寿也氏、高木浩光氏といった、日本のネット中立性や個人情報保護法制や情報セキュリティ制度にかかわる著名かつ有力者が勢揃いの感がある「情報法制学会」という団体があって、これに関連する研究機関を支援、というか実質的に資金提供していたのが LINE だ。それゆえ、僕はこれが設立された5年位前から当サイトでも「LINE学会」という表現を使っていた。参与にも、プライバシーやセキュリティに関する定番の概説書なら誰でも目にしたことがある研究者の名前が続々と並んでいる。
もちろん、LINE から中国に個人データが筒抜けだったという一件をもって、威勢のいい「ひろみちゅ」を始めとする人々を cancel culture の一環で吊るし上げる意図はない。金だけもらって、LINE が社内で何をしていたのか PIA すら実施してなかったんじゃないか、この無能集団め、とかね。そもそも彼らは体制側の人間なので、最初から産官学の側の人間だと分かっているのが、まともな実務家というものだからだ。「ひろみちゅ」が Twitter でどれほど威勢のいいことを書いていようと、しょせんは国家公務員である。
これまで何度か高木氏の議論を批評したことはある。最も明白な批判は、Winny についてのものだ。既に開発者は急死してしまったわけだが、あれの頒布が教唆という点で違法行為であることは明白だと思う。P2P なんぞ規制しても、日本のコンピュータ・サイエンス分野が萎縮したところで、人類の叡智の発展に何の支障もない。現に誰一人として、あの慶応 SFC で「日本のインターネットの父」とか何とか言われた政治屋ですら、チューリング賞を受けていないではないか。もちろん WASP やユダヤの技術屋どもなんて公正でもなんでもないが、これが現実である。