Scribble at 2020-05-02 08:04:38 Last modified: unmodified

「学事暦の多様化とギャップイヤーを活用した学外学修プログラムの推進に向けて」(意見のまとめ)

昨今、新型コロナウイルスで自宅学習となっている生徒や学生の学習期間を確保するという名目で、入学時期を9月に延期しようという提言が出ている。もとより、学事歴(学年歴)を「国際化」しようという提言は色々な機会に色々な人が言ってきたことでもある。そして、学事歴について調べてみると、文科省では2013(平成25)年10月4日(第一回)から2014(平成26)年4月21日(第五回)にかけて「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」を開催し、2014(平成26)年5月29日に上記のような意見書を公表している。ただ、これは「ギャップ・イヤー」と呼ばれる、高校を卒業した生徒が大学へ進む前に1年前後に渡ってモラトリアムをとって、留学したり、アルバイトしたり、あるいは何のために大学へ進むのかを考えるといった機会を通じて、大学へ進学する具体的な目的や意欲を醸成するという仕組みとのかかわりで学事歴の《多様性》が議論されている。これは、海外の大学が「学年制」ではなく「セメスター」や「クォータ」といった区切りで習得した単位を基準にしていることと関連がある。実際、アメリカの大学生に「じぶん、何回生?」(関西の大学では「何年生」と言わずに「1回生」「2回生」などと言う)と質問してもナンセンスである。また、日本の四年制大学(そもそも、「四年制」などと言っている時点でおかしいのだが)で最初の2年間を「教養課程」と称して、その多くは実態としてくだらない雑学を講じている現実も、海外では考えられない時間の浪費というものだ(真面目に「教養」の醸成に取り組んでいる大学や教員もいるにはいる)。つまり、単純に学校の授業や入学式を9月にやればいいというものではないのだ。

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