Scribble at 2026-01-25 11:41:38 Last modified: unmodified

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一方で、売上増加・コスト削減のいずれの効果も得られていないと回答したCEOは56%と過半数を占めた。両方の成果を実現したとする回答は12%に過ぎず、AI投資が短期的な財務成果につながっていない企業が多数派となっている。

PwC調査:世界のCEO半数超が「AIは収益に貢献せず」──活用はなお途上段階

まず、これは基本的な話なのだけど、企業というのは営利目的で事業を営んでいる法人だ。当たり前だよね。そして、営利目的ということは、儲かることが全てなのだ。盲導犬協会にいくら寄付するとか、そんなもん経営者がテメーの小遣いでやってりゃいいのであって、そんなことが企業の経営の目的であるはずがない。そんなのは、単なるまやかしや自意識プレイにすぎない。すると、少なくとも売上が増えるか、あるいは営業利益が増えないことには「儲かった」とは言えないわけだ。こんなことは小学生でも説明すれば分かる。

さて、企業の売上が増えるためには何が必要だろうか。当たり前だが、小売店なら商品がたくさん売れることだ。弊社のようなネット・ベンチャーなりウェブ制作会社であれば、顧客や受注の件数が増えることである。それなしに売上が増えるなんて魔法は、この宇宙に存在しない。だが、生成 AI を単に使ったからといって売上が増えるだろうか。いいや、そんなことは断じて無いのだ。だから、AI は収益つまりは儲かることに貢献していないと感じる経営者が多いのである。これは、まったく当然のことだと言える。

もちろん、「いえいえ、AI を活用する意義というのは・・・」と、大塚商会の営業マンみたいな話はいくらでもできるわけだが、そういう回りくどい話をいくらされてもインパクトはない。間接的な貢献度なんて、たいていの経営者は求めていない。だからこそ AI の活用に失敗するのだと言っても、たいていの経営者は実際には経営の素人なのであって、テクノロジーをどうやって活用するべきなのか、自分で調べたり考えるわけがない。そうやってでも、大半の企業はやってこれているのが、この国のヌルい産業構造なのである。

たとえば「コスト削減」だが、これは端的に言えば人件費の抑制つまりは RPA や AI エージェントで人減らしというわけだが、そんなこと簡単に出来るわけがないのだ。なぜなら、いま働いている人と同等の仕事を AI や RPA にさせようとすれば、当然だが AI や RPA サービスに動作するための条件だとか命令セットを定義したり設定してやる必要があり、たいていの企業経営者にそんな知識もスキルも動機もないからだ。かといって、部下の管理職がやれるかと言っても、日本の管理職のサラリーマンなんて、そもそもパソコンの操作ですら覚束ないような人々である。上場企業や大企業であろうと、部長なんて言われてる人々の多くは、Windows のコンパネを開く操作すらできず、せいぜいキャバ嬢のケツを触るくらいしか能が無い連中だ(実は、これはアメリカでも似たようなものだったりする)。

つまり、AI を活用していると言っても、その多くの企業は出入り業者やよくわからないベンチャーに AI の設定だとか RAG などのファイン・チューニングを丸投げしているため、そのコストがかかってしまって人件費と相殺しているだけとなる。財務的には何の影響もないのだ。それどころか、ファイン・チューニングというものは継続的に繰り返す必要があって、ランニング・コストによっては固定費が逆に増える可能性もあろう。

そしてさらに、AI を基準にした業務フローを考えたときに、そのボトル・ネックとなるのは、もちろん人間である。いくら AI を搭載したパソコンが昼夜を問わずにタスクを遂行できるとしても、実は中小企業でやっている事務仕事なんてものは、一つのタスクで数日もかかるような作業は殆どない。ということは、AI に次の命令を与える人間じたいが昼夜を問わずに AI へ次の指示を出せるように待機しておかなくてはならず、ではその残業代はどうするのかという馬鹿げた話になりかねない。もちろんだが、そういう心配をしなくてもよい、自律的なエージェントなんてものは、まだ信頼できるレベルにはなっていないのである。

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