Scribble at 2023-02-16 10:29:09 Last modified: 2023-02-16 10:43:46

うちにも「仕事ください」的な営業メールが山ほどくるんだけど、原則として個人事業主とか起業学生とかに言っておきたいこととして、まず GMail のメール・アカウントで寄越してくる営業メールに対応する、まともな会社なんてないよ。これは企業の取引先管理(経理上の管理だけじゃなく、与信管理やリスク・マネジメントなど)としても、あるいはサラリーマン全般に求めてもいいリテラシーとしても常識の範囲だと思うね。

GMail のアカウントでメールを送ってくるということは、個人事業主であろうと会社であろうと、要するに ".co.jp" ドメインを登録していない、つまりは実在証明がない事業者ということだ。もちろん、相手が法人であろうとなかろうと取り引きはできるし発注はできるけれど、たとえば派遣社員とかクラウド・ワーカーのような人々に業務を頼んだり案件を発注できるのは、彼らの代わりにリスクを担保する派遣会社とかクラウド・ワーカーの胴元企業があるからだ。その辺の知らない兄ちゃんに声をかけて、小遣い銭を渡してウェブ・ページのコーディングをしてもらう会社なんて、ない。Gmail のメール・アドレスで企業に営業をかけるとは、まさしくそういう非常識なことなのである。知らない兄ちゃんが会社の窓口にやってきて、「ワードプレス作ってやるよ」などと言ってるのと同じなのだ。

そして法人を名乗っていようと、結局は日本において ".co.jp" ドメインを運用していない法人は、実在証明がないのと同じである。もちろん調べたら実在するかどうかは分かるだろう。でも、仕事をもらいたい企業の社員にわざわざ税務署や法務局や法人番号サイトで調べさせる手間を要求するなんて、どこの御大名様なのかというわけである。それこそ、相手の会社の管理系社員を自分の会社の経理や人事に対する態度と同じように見下している証拠だろう。

で、こういうことを書くとすぐに働いたこともない(バイトすらやったこともない)ガキが「老害」などと脊髄反射を起こすわけだけど、これはネットがある時代だろうと30年前だろうと50年後だろうと、あるいは俺が20代だろうと50代だろうと、俺が大学生だろうと企業の部長だろうと関係のない世の中の常識というものだ。何の担保も保証もない相手と、場当たり的に取り引きして仕事を受発注するなんて、それこそ野蛮人の時代の商取引である。「30年前だろうと50年後だろうと」と書いたが、確かに500年前のアフリカなら帝国データバンクも国税庁もないから、ガキが嫌う「認証」とか「ルール」とか「規格」とか「法律」とか「世の中の常識」とか「担保」とは無縁のサバイバルなやりとりの世界で生きる他にあるまい。でも、そういう時代がこれから(北朝鮮や中国やロシアから核兵器が数発ていど飛来するだけで、この国はそういう状況になるかもしれない)やってきたとして、本当に裏書のない世界で君らみたいな「転生サバイバー」とか「脳内キリト」といった、ゴキブリすら素手で潰せないインチキ・サバイバル野郎が何をできるというのかね。

中途半端な帰国子女の煽りメッセージに踊らされて、腕一本で何でもできるみたいな妄想を抱くのは、よした方がいい。どれほどネットが普及しても、無能や凡人が iPhone や iPad を手にしたところで、それだけのことでイージーにサイヤ人みたいになれるわけがないのだ。

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