Scribble at 2022-09-06 17:43:38 Last modified: 2022-09-07 18:21:14

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【結果発表】TOEICと英検はどちらがおすすめ?の結論が決まりました

たまに眺めてる楽しいビデオだ。既に「英語の勉強について」という論説でも紹介したのだが、意外とまともなことを言っているので、もし英語の勉強をどうやればいいかぜんぜん分からないという方がいたら、眺めてみるのもよいと思う。ただし、僕は上のビデオの内容には、半分しか賛同しない。

これは何年も前から言われていることなのだが、TOEIC はまともな英語の試験ではない。TOEIC 900 点でもぜんぜん英語を話せない人は多いと言われるし、そもそも TOEIC の試験は昔から内容とは関係のないテクニックだけで回答を弾き出すゲームになってしまっていると、英語の教育関係者から批判されている。よって、上のビデオでも英検のテクニックが分かれば簡単に回答できるなどと言っているが、その手のテクニックばかり覚えても意味はないのである。英検の勉強だけでどうのこうのと成功事例だけを紹介しているが、いったいこの人物の英語教室では何人が途中でやめたり試験に失敗しているのだろうか。そういうデータがない以上、語られている内容には大幅な保留が必要である。英検だって、多くの学校で導入されてるのに、そういう学校を出ても日本では英語が使えないやつだらけじゃないか。

TOEIC の受験生は世界で800万人と言われているが、その7割に当たる受験者は日本と韓国である。よって、大手の書店にいけば TOEIC の試験対策本を韓国人が書いている場合が多いと気づくだろう。そして、もともと TOEIC という試験は日本がアメリカに提案して作ってもらったアジア人向けの試験だったという経緯があるのだけれど、いまや英語で大きな成果を上げているのは韓国人の方である。僕がソウルへ旅行で行った時でも、街中を歩いている若者の二人に一人くらいは何の躊躇もなく英語で話せたし、逆に高校生と思しき人物から「あなた発音がちょっと変だよ」と言われたくらいだ。これに比べて日本の高校生で友達と普段から英語で話してるなんて人は、大阪でとりあえず進学校に入る僕の母校でもいないと思う。

ということで、TOEIC のような試験ですら有効に活用できていないというのが日本の実情だろう。たとえ試験の質が良くなくても韓国では英語をよく使える人が増えているのだから、単に TOEIC がいいとかわるいというだけの問題ではないのだ。よって、上のビデオでは TOEIC と英検を比べて総合的な能力を計る英検の方が優れているなどと当たり前の結論を大発見であるかのように話しているが、こんなことはまともなレベルの英語教育者であれば、昔から誰でも知っていることなのだ。逆に、企業や学校で TOEIC のスコアを要求するのは、本当のところ英語力をつけるなんてことを従業員や生徒に求めていないし、それを求めるにはどうすればいいかを、求める方の人間が分かっていないからなのだ。

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