Scribble at 2024-01-14 09:34:28 Last modified: 2024-01-14 09:59:58

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エクスプローラ上でのフォルダ誤移動の防止対策について

これまでも起きていたことだろうと思うけれど、これから僕のように高齢者としてコンピュータをエンジニアとしてもプライベートでも常用する人が増えてくると、もっと多くの人にとって切実な話題になると思うんだよね。「ユーザ・インターフェイス」というのは、単に画面上のビジュアル・デザインの話だけではなく、マウスやキーボードと言う話題でもある。僕らのような IT 人材や、あるいは少なくとも大学でコンピュータ・サイエンスの学位をとったような人間なら、暗号論を専攻していても教養課程の必修で HCI くらいは勉強しただろうから、常識と言っていいはずなのだけれど、オンライン・サービスなどに携わっている人々に限って絵描きの専門学校とかで表面的かつ視覚的なことばかり弄くり回す勉強しかしていないせいで、"designer" を名乗りながらまともな「設計」ができない近視眼的で視野の狭い人が非常に多いんだよね、この国は。なので、とりわけ僕らのような高齢者が遭遇する、上記のような問題について興味もなければ実感もないし、自分自身が高齢者のデザイナーになっても自分が被る問題を他の人も悩んでいるという想像力が枯渇してしまう。それこそ、ロボットみたいになってしまうのだ。よく、昔から同じことを根気よく続けている高齢の職人などを取材したり紹介する記事やテレビ番組などがあるけれど、彼らが職人やデザイナーや芸術家として優れているとすれば、それは同じことを単にロボットみたいに繰り返しているからではなく、「同じことをやっていていいんだろうか」と悩み続けているところにあるのだ。これこそ彼らが称賛に値する本当の理由であり、同じことを単に何十年も続けるだけならロボットでいいのである。

というわけで、僕も上記のフォーラムで話題になっていることを(実はもっと若い頃からだが)実感として理解できる。そして、特にここ10年くらいのあいだに世界中で大流行している、JavaScript で DOM 構造をメモリに展開しながらイベントを起点にした UI 処理というコーディングの功罪を(もちろん、僕は有能なエンジニアなので、単に JavaScript で UI を実装しているというだけで非難したいわけではない)正確に理解して活用できる人材がいない、つまり、フロントエンドの優秀なエンジニアもいなければ、彼らをリードして適切なユーザ・インターフェイスをデザインする真のフルスタック人材が実は殆どいないという問題は深刻である(PHP が使えるデザイナーなんて、そんなもんフルスタックでもなんでもない、ただの便利屋にすぎない)。そして、僕がここで何度も強調しているように、そういう本当に堅実で良いデザインができる人材が、もうウェブ制作の業界に入ってくることは期待できないという気がしている。社内のエンジニアとしての待遇においても、あるいは単純に給料という点でも、そこまでの的確で高度な仕事をするに値するだけの見返りが、もうこの業界では財務構造として保障できなくなってしまっているのである。したがって、僕は自分が所属してきた業界に対して冷たいことを言うようだが、過去にパソコンが普及して WORD などを誰もが使うようになって、業務用ワープロを使った入力代行業がわずか5年ほどで消滅してしまった事例と同じく(ここまで劇的ではなくとも)、ウェブ制作なんていう業種もウェブサイトを公開する殆どの人や企業が WORD と同じような感覚で作れるようになる環境や道具を手にすることで、さっさと消滅してしまえばいいと思っている。デザイナーは、ウェブのデザインなんていう小さな仕事だけで食っていくなんてケチなことを考えずに、本来のデザインの仕事に戻るべきなのだ。そして、それに値する真の優れた人材だけが「デザイナー」を名乗り、その仕事に従事するほうがよい。ウェブのデザイナーなんて、僕に言わせれば 95% は Photoshop や Dreamweaver のオペレータにすぎない。

上のフォーラムでは、クリックする動作がドラッグの動作になってしまうという問題を取り上げているが、他にも全く単純な話として、「クリックに反応しない」という問題もある。繰り返すが、この JavaScript で実装しているボタンの多くが、クリックしても反応しないことが多いという杜撰な UI 実装なのだ。なので、もちろんだが何度も不愉快な気分にさせられると、その対策としてタブ・キーを使ったキーボードでのアクセスに切り替えたりする(accesskey 属性を設定しているサイトは滅多にないので、もちろん所定のアンカーにフォーカスが移るまでタブ・キーを押しまくる)。でも、常にそんなことができるわけでもないし、そうすべきでもないので、結局はくりっくという幼稚園児みたいにバカ丁寧な動作をして、マウスの左ボタンを正確かつ深く、ゆっくりと押し込むなんていう、何かの儀式みたいな真似をする他になくなるわけである。もちろんだが、そんなことに時間と神経を使うせいで、常人の5倍を誇る生産性が常人の3倍ていどに落ちるので、たいへん不愉快だ。なんで機械ごときを操作するのに、能の舞い方の訓練みたいな指の動かし方をしないといけないのか。

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