Scribble at 2021-12-07 16:57:38 Last modified: 2021-12-07 18:42:40
些細なことに見えるかもしれないが、こういう事例がオンラインで常にヒットするようになってしまったからには、龍角散という企業にとって顕在化しないインパクトがあったのは間違いない。なぜなら、企業についての情報を丁寧に調べる女性がこの先、龍角散という企業には応募しなくなる可能性があるからだ。その中には、当然だが入社していれば一定の業績を上げる有能な女性もいる筈であり、そういう人たちから「論外」という扱いを受けるのだから、その影響は文字通り計り知れないが、確実に企業の採用活動にとってマイナスである。
もちろん、そういう情報を得ようともしないクズだけで龍角散という企業が事業継続できるという、意味不明な自負があるというのであれば、好きにすればいいのだろう。でも、他方において事業というものは客がいなければ成立しないわけであって、少なくともここに一人、もうコンビニエンス・ストアで龍角散の入ったキャンデーを買うのはやめようかなと思案している消費者が増えたことは確実な事実である。
でも、そういう消費者が何人か増えたとしても、恐らく龍角散という企業にとっては大きなインパクトがないのかもしれない。そして、実際のところそういうインパクトの影響が積み重なって、龍角散が30年後に倒産したとしても、いまの経営陣にとってはどうでもいい話なのだ。それが、going concern がなんでもかんでも事業体として目指すべきものであるとは限らないという理由の一つである。永続企業は、そこそこ迷惑な愚劣さも永続できてしまっている可能性があるのだ。