Scribble at 2023-10-05 09:27:55 Last modified: 2023-10-05 09:59:48

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ASCII.jp

『DOS/V POWER REPORT』が休刊になるという話題を取り上げた落書きで、『月刊アスキー』の話もした。雑誌は熱心に買って読んでいた頃もあったが、オンライン版には殆どアクセスしていない。アスキーと言えば、週刊誌として『週刊アスキー』が出た頃も数年に渡って熱心な読者だったこともある(もちろん、左右開きで読む体裁の創刊号も買った一人だったが、あれを「奇妙」と言われてしまうと困る。なぜなら、縦書きの論文と横書きの外国語論文とを両開きで読む学術誌や大学紀要なんて珍しくもなんともないからだ。修士ていどの学位を持っている人間なら、特に驚くような体裁でもなかろう)。でも、『週刊アスキー』のオンライン版も巡回先ではない。オンラインのメディアには、雑誌に感じられる趣味的な雰囲気が全く感じられないからだ。結局、他の「メディア」と称する(それこそ WELQ や TABI LABO みたいなゴミクズも含めて)サイトにも言えることだが、誰でもアクセスできるサイトというのは、それが営利企業の運営であればとりわけ、専門的なコンテンツを提供していてもアクセスという数字は増やさないと広告収入が増えないため、どうしても SEO 的には想定するオーディエンスを制約できなくなる。そして、コンテンツもマニアックなものだけではなく一般人向けの話題を取り入れているうちに、やがてミイラ取りがミイラになってしまうことが多いために、誰でも知ってるような話題ばかり取り上げるようになり、どんな話題のメディアにも芸能ネタが出てきたりして、そら運営してるスタッフにもメディアとしての熱意がなくなるだろう。どこもかしこも同じような話題を同じような時期に同じように書く(独自ソースなんて、今どきのメディア運営会社にあるはずない。どのみち Google や Twitter で検索してるだけだろうし、いまなら ChatGPT に記事を自動出力させているのではあるまいか)という金太郎飴のようになっていく。そして、それを再び検索エンジンのロボットがデータとして吸い上げていくのだから、これがエコー・チェインバーにならないわけがない。まったく、これではウェブなんて退屈で不愉快でくだらない。

ただ、この ASCII.jp は何十年も事業として細々と色々なところに買収されながら継続していて、オンラインのメディアとしても20年以上の運用実績があるらしく、フッタには1990年代からの記事がアーカイブされていて、こういうところにはメディア企業としていくらかの矜持を感じる。豊島区とか渋谷区とか港区とかで、マンションの一室やインキュベーション・オフィスを借りてデタラメに「メディア運営」などと自称してるインチキなベンチャーとは、やはり格が違うという印象はあるな。

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