Scribble at 2021-05-13 10:01:16 Last modified: 2021-05-13 10:32:51

Cora Du Bois Brief life of a formidable anthropologist: 1903-1991

考古学を学んでいた頃は、恩師の瀬川芳則先生からも、あるいは何度かお話を伺った森浩一先生からも、文化人類学の素養が欠かせないと何度も聞いた。学部時代を過ごした大学でも、瀬川先生の文化人類学の授業を受けていた。その後も幾つかの著作は手に取ったのだが、いまだに体系的というか所定のテキストを手にとって勉強したことがない。なので、機会があるたびに色々なテキストを物色したり、あるいはおもむろに『部分的つながり』(叢書人類学の転回)を図書館で借りては打ちのめされたりしているが、興味深いながらも手強い分野という印象がある。

そういうわけで、これも機会があればオンラインでもページやサイトを眺めている。さきほど、Anthropology of this Century というオンライン・ジャーナルを見つけてアーカイブを渉猟していたら、Cora Du Bois というアメリカの文化人類学では草分けと言ってもいい人物の記事を見つけた。デュ・ボアの伝記も書いているスーザン・セイモアが投稿した上記の記事が参考になる。なお、国内ではプロパーですら "Dubois" とか "DuBois" とか「デュボア」などと表記している人がいるので(実際、"Cora DuBois" という綴りの人物もいる)、日本語の文献を検索するときは注意が必要だ。また、William Edward Burghardt Du Bois のページもヒットしやすいので注意したい。それからデュ・ボアについて YouTube で呼び方を調べてみようと思ったのだが(本当に「デュ・ボア」なのか。「デュ・ボイス」ではないのか)、彼女がアジアの調査をやっていたという経緯からか、インド人の動画しか見つからないので、よく分からなかった。offensive な意図はないが、特にインドにいて英語を喋っている人々の発音はよく聞き取れないし、そもそも文法ですらメチャクチャな場合があるから、あれは言語学的にも方言どころか英語を元にした別の言語と考えた方がいいのではないか。たぶん、日本人の使ってる奇怪な和製英語も(言語ではないが)そういう類の派生的な言葉であり、是非を論じたり嘲笑しても仕方ない。

デュ・ボアに限らずネットが普及した1990年代以前に亡くなっている学者のリソースというのは少ない傾向があって、これはオンライン・リソースの集積に関する、それこそ文化人類学的な特徴と言ってすらいいと思うのだが、ともあれ見つかるものは見つけて保存しておきたい。たとえば、

https://www.ptreyeslight.com/article/cora-du-bois-agent-and-rigorous-anthropologist

このページは The Point Reyes Light というカリフォルニア州のマーティン・カウンティで発行されている週刊新聞のサイトに掲載された、同じくセイモアのインタビューだ。

手稿や記録類はシカゴ大学とハーヴァード大学にライブラリがあるようだが、どちらもデジタル化されておらず、書誌情報のみがデータベースとして研究者向けに公開されている。

http://aotcpress.com/articles/cora-du-bois-twentiethcentury-american-anthropology/

これが、デュ・ボアを知った記事だ。この Anthropology of this Century は2019年を最後に更新が止まってしまっているが、文化人類学についての興味深い論説がたくさん読める。

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