2019年08月08日に初出の投稿

Last modified: 2019-08-08

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『Blog鬼火~日々の迷走』というブログを見つけた。神奈川で高校の教員をされていたらしい藪野直史さんという人物が運営されており、梅崎春生の作品を熱心に公開しながらご自身のコメントを付けている。もちろん梅崎春生の作品そのものは、小説なら『青空文庫』に収録されていて自由に読めるから、わざわざ個人のブログで掲載しなおす必要は、ページの presentation つまり見栄えや読みやすさの工夫をウェブページにおいて自分なりにやるということならともかく、テキスト・データの distribution というだけなら無いだろう。とは言え、強い思い入れがあって自家の作品集として注釈と共に公表したいという思惑は、分からなくもない。

さて、僕は夏季休暇(お盆休み)に入っているのだが、睡眠不足や夏場の疲れからか今日は朝から寝床に伏して、講談社文芸文庫の『桜島・日の果て・幻化』(https://www.amazon.co.jp/dp/4061960474/)を手に取った。冒頭の「風宴」は既に読んでいたため、いよいよ梅崎の有名な「三部作」とされている作品の第一部にあたる「桜島」を読んだ。そのいきさつがあって、梅崎について少し調べたら、冒頭で紹介したブログを見つけたというわけである。「桜島」については、確かに読み返して色々と想像したり考えてみたいところがある。そして、もともと梅崎の作品は足立巻一さんが『幻花』について言及していたためだったので、両者の関係についても検討しておきたい。

ただ、「桜島」について取り上げられてきた有名な論点の一つとして、梅崎が坊津で特攻隊員から何らかのリンチを受けたのかどうかという点については、恐らく記録や証拠あるいは関係者のオーラル・ヒストリー資料がないと思われるため、結局は好事家的な思弁に遊ぶ結果となろう。それはそれで散文なり文学として成立すれば意味もあろうが、現今の日本における素養や知性や民度からすると、ただの「ジャーナリズム」を名乗るお喋りに終始する可能性が高く、そんなものに巻き込まれるような議論は公にしたくないので、僕は敢えて(プライベートな資料としては目配せするものの)公開を予定している論評では避けた方が良いと思う。

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