Scribble at 2023-05-10 07:51:57 Last modified: 2023-05-10 13:20:33
ネトウヨが語るファンタジーの一つに、日本人は誠実で真面目でなんとかかんとかというものがある。巧妙な場合は、そういう妄想を外国人観光客やホーム・ステイしてくる(もちろん凡人の)アメリカ人高校生とかに言わせたりするわけだが、そんなものがデタラメであることは文化人類学の知識なんてなくても、まともな知性をもっていれば誰でも弁えていることだ。国によって誠実だったり真面目な人の割合が著しく異なるなんてことはありえないわけで、もしそんな事実があるなら、それは国全体で何か異常な法律や習慣が強く維持されている証拠であろう。そして、表面的に朴訥だったり温和に見えても、実際にはそうでない人々が他の国と同じ程度にいて、鬱屈した気分や抑圧されたという自覚がくすぶっていると考えた方がいい。
しょせん公務員の大半も凡人であるからには、その一定数はチャンスさえあれば嘘をついたりイカサマをはたらいて、仕事をサボったり、あるいは上記の記事が紹介するように詐欺や背任といった、いわばありとあらゆる犯罪に手を染めてしまうわけである。日本人だからといって、何か民族性として誠実で真面目な人がアメリカやロシアや中国やメキシコよりも多いなんてことは、僕には全く信じられないし、そんなことを信じて何になるのかと思う。もちろん、自分自身がデタラメな人間だとは多くの人は思わないだろう。でも、他人と接するときには両方の可能性がある(或る程度は誠実な人物でありえるし、また或る程度はデタラメな人間でもありえる)と弁えるのが大人の態度というものであろう。
さきほど、テレビでは楽天モバイルの元部長が架空請求で数十億円を騙し取ったという話題が報じられていたが、なんでも LINE で同じ程度のチンピラ妻(架空会社の代表)と気楽に詐欺行為で得た大金の使い道を楽しそうに語っていたという。もちろん、楽天なんてこんな社員が他にもたくさんいると思うが、かつては社員のパソコンをカメラで監視しているとすら言われていた厳格な従業員管理を敷いていると言われた企業群でも、これほどの巨額な不正に気付かないわけである。もはや、楽天グループは社員に IC チップを埋め込んだり、Google Glass のようなものを目に埋め込んで管理する他にないのではないか・・・というのは冗談として、要は「性善説」だの「性悪説」だのという非現実的なポリシーで人を管理してはいけないし、日常的な話題としても短絡的な想定で他人と接してはいけないのである。それが、たとえ自分の娘や父親でもである。自分を騙しているとまで思う必要はないが、何か本当のことを言いにくいなんて状況は、いくらでもあろう。犯罪なんて、しょせんは凡人がやることなのだから、その延長線上にあるのだ。