Scribble at 2023-02-03 12:50:23 Last modified: 2023-02-03 14:12:47

久しぶりに Raspberry Pi を使ってみている。OS の入れ替えばかりしてる気もするが、やはり Debian というのが萎える。FreeBSD が入らないと分かった時点で「あ、これは俺の道具じゃないな」という気がしてしまうのだ。弘法でも、まともな仕事をするには筆を選ぶ。最適な道具でなくても作業はできるが(もちろんギャラや待遇という点でもだ)、それはそれだけのことでしかない。プロならあたりまえであろう。

そういうわけで、最初のインストールというステップに留まってしまっているのだが、もちろん更に有能な技術者であれば Debian だろうと RedHat だろうと(RedHat や CentOS も10年以上は使ってきたけれど)色々なプラットフォームへ対応できなくてはいけないのも確かだ。よって、今回は久しぶりに違う OS を試してみようとしている。とは言っても、同じく Debian ベースの Kali Linux だが。

いま USB メモリに入れて各種の設定を終えて起動しているところだ。当サイトでも解説しているように、headless installation の場合は三つのファイルに設定を書き込んだり編集しなくてはいけないのだが、Imager で入った Kali Linux のイメージを MacBook Pro のターミナルで開いてみると、まず cmdline.txt に "modules-load=dwc2,g_ether" が書かれていない。そして config.txt にも "dtoverlay=dwc2" の記述がない。これでどうやって正しくハードウェアが立ち上がると思っているのか、本当に自分たちで試してみたんだろうか。ということで、これらの設定も加えて、wpa_supplicant.conf に通信設定を加えてから、USB メモリを基盤に付けて電源を接続してみた。でも、LAN をスキャンするツールで反応がない。いや、見知らぬプライベート IP アドレスは見つかるのだが、ネットワークに繋がっていないため、どうにもできない。ちゃんと認識されていれば、ハードウェアとして "Raspberry Pi Foundation" という表記が出る筈だ。

ということで、やはり Kali Linux のディストリビューションは駄目なイメージであるか、headless でのインストールを想定しておらず、あきらかに Wi-Fi だけでセットアップするという状況でのテストが不足していると思う。まぁ、Raspberry Pi に入れて Kali Linux を使うユーザなんて世界中を探しても10人といないであろうから、こんな特殊な条件に対応して周到な用意などしてもいないのだろう。しょうがないので、再び Raspberry Pi OS Lite (Bullstye) に戻すことにする。

・・・と書いておいてなんだが、Imager で入れた Raspberry Pi OS Lite は、そのままだと例によって cmdline.txt や config.txt が全く USB の起動シーケンスに対応していないため、これでは headless でのインストールに使えない。しかも、いつものように全てのファイルを編集しても LAN のスキャナに出てこない。これ、何回も同じことをやってるのに成功したりしなかったりで、やはり Linux なんて UNIX に比べたらいい加減な実装してるんだよな。OS も、ハードウェアも、そしてドライバも。やはりいちどでも成功したら、簡単にやり直したりアップデートなんてするもんじゃないっていう昔からの教訓が今でも有効ということだ。とはいえ、10年前の WordPress を使い続けてるクライアントとかがいるのも困るわけで、ハード、ソフト、そしてネットワークに絡むセキュリティ上のリスクという三つのリスク要因を適当にバランスを取りながら死ぬまで民生用の雑な品質の道具を使い続けなくてはいけないのだろう。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook