Scribble at 2025-02-16 10:19:40 Last modified: 2025-02-16 10:49:29

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Nik Color Efex

デジタルのビジュアル・デザインを手掛けるプロフェッショナルというのは、たいてい Photoshop や Illustrator の外部拡張プラグインというのを使っていて、僕も長らく無料で公開されている幾つかのプラグインを使っている。ただ、無料のものは最新の Photoshop に追随するとも限らないし、やはり効果の精度や品質は「それなり」といった印象である。設定の柔軟性も低くて、だいたいがワン・クリックで画像がこうなりますといった、オペレータ志向の人々が使うエフェクターというか、つまるところアクションに近いものが多い。

なので、上記のようなプラグインを専門としてリリースしている企業が作っている製品を試してみたいという意欲はずっとあるのだが、これまでたまに見てきたプラグインというのは、やはり高額なものが多い。いくらプロのデザイナーを名乗っていても、もちろん会社の職能としては(「桁外れの担当分野をもつ」という但し書きはつくが)事務屋のオジサンなので、プラグインの購入を目的として稟議を出すつもりはない。というか、僕が欲しいプラグインというのは、得てして上のような仕事とは関係のないものが多い。

いま、図書館から借りてきた『モノクロ×Photoshop』(ヴィンセント・ヴェルサーチ)を読み始めていて、この本の冒頭で上記のプラグインをインストールするように促される。書籍だと付録として使えるようになっているけれど、この本が出版されてから10年以上が経過しているので、いまの Photoshop Creative Cloud 2025 で使うには、上記のサイトで手に入れるのがベストだろう。というわけで、サイトを眺めていたわけである。このプラグインに関心をもった理由は、もちろん『モノクロ×Photoshop』を読んでいるからだ。僕は Stable Diffusion を使い始めてから2年ほどになるが、かなりの枚数(それこそ数万枚だと思う)をモノクロの風景写真っぽい画像を出力することに費やしてきた。もちろん生成 AI で作った画像は、「写真」でもなければ「絵画」でもなく、それどころか「イラスト」と呼んでいいのかどうかすら怪しい何かではあるが、人の、とりわけ僕にとって何か時間や手間をかけてコミットするに値するものがあると思っている。そもそも「デジタル・アート」とか「コンピュータ・アート」という分野が40年以上も前からあるわけで、いまでは多くの写真家だってデジタル・カメラと Lightroom から作品を作り出している。いまさらコンピュータで作り出した画像としてのビジュアルに良い悪いを語るどころか、そもそもアートであるかどうかを議論することなどナンセンスに近いであろう。

というわけで、Photoshop の優れたプラグインとして紹介されている、この "Color Efex" というプラグインに少し興味があって公式サイトを眺めていたというわけである。世の中に出回っているアマチュアとプロの「生成 AI を使った画像」で大きく違っているのは、実は指が何本あるといったことではなく、結局は生成された画像ファイルにどのような後工程を施しているかということになる。たぶん、大半の素人は(MidJourney のようにオンラインで出しているだけならなおさら)、生成された画像になんにも後工程を加えていない。したがって、絵柄としてモノクロに見える画像を出力できても、それは単なるグレースケール画像というだけであって、作品なり成果物を名乗れるレベルのものではない。もちろん、プラグイン一つを使ったからといって自動的にそのレベルになるわけではないが、少なくともこういうプラグインの活用なしに効果的な後工程は進められないであろう。

ともあれ、Photoshop のプラグインとして色々な機能がサポートされている割に2万円で提供されているのは、非常に良心的だと思う。それだけ売れていて単価を低く設定できるのかもしれないが、ともかく僕が見てきた有料のプラグインの平均的な価格設定からすると、趣味の範囲でも導入しやすい値段だとは思う。なお、このプラグインの旧版が Google からリリースされていた時期があったらしいが、それは現在の Photoshop では使えない。追加すると Photoshop の挙動や起動に悪影響があるので、使わない方がよい。もちろん、この本に付録しているプラグインも使わない方がいい。

で、いまプラグインをリリースしている DxO という会社についてもサイトを見ていたのだが、僕が生成 AI で色々と試していた、フィルムの特性を再現できないかというテーマにもプラグインの効果で素晴らしい成果を出しているようだ。"DxO FilmPack" というのがそれで、もういまでは手に入らない Agfa の古いフィルムで撮影したかのような効果も再現できるようだ。こういうのを生成 AI でやってみたいというのがあって、教師画像として利用できる写真のヒストグラムを解析して特性を掴んだりするようなことも、もちろん生成 AI の特異な機械学習によって実行したいという意欲がある。

正直、こういうことを毛嫌いしたり、著作権がどうとかだけ言ってる人たちって(著作権は、もちろん法律の範囲で保護されていいが、僕はいまの著作権は無駄に保護しすぎだと思う。保護期間なんて、死後75年じゃなく、せいぜい発表してから30年くらいでいい)、デザイナーやアーティストとしても次元が低いと思うよ。原始人とまでは言わないまでも(原始人にもアートの感性はあった)、逆に歪んだ感性の現代人という気がする。100年ほど前のソ連にたくさんいた、左翼画家みたいな連中だ。

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