Scribble at 2019-12-24 20:26:37 Last modified: 2022-09-29 15:57:09

会社に対し、労働者が安全に働くため環境を整える義務(安全配慮義務)があると定める労働契約法。強制的な出勤は罹患した本人の病状悪化だけでなく、他の従業員の感染を招く危険性がある。労働契約法上の罰則はないが「訴訟で違法性を問われ、損害賠償を請求される可能性がある」。

2割が完治前に出勤…インフル・ハラスメントの恐るべき実態

そもそも、インフルエンザのように感染力があるウイルスで発病したと思われる従業員を出勤させることは、会社と従業員個人の就労関係とか、あるいは上司と部下の人間関係という問題だけではなく、罹患している当人が同僚や居住地域や通勤時の不特定多数にも感染させるリスクがあり、これは公衆衛生という公共の事案である。それゆえ、会社は従業員を休ませなくてはならないと法律で規制してあるのだ。記事を書いている記者もそれを理解しており、続けて「また労働安全衛生法は、感染力の高い新型インフルや鳥インフルを『就業制限の対象』と明記。これを破って出勤させるなどすれば、同法違反で6月以下の懲役や50万円以下の罰金が科される恐れがある」とも書いている。

したがって、治癒した後で「体調管理がなっていない」と無暗に叱責されるとか、出てきたら出てきたで別の人たちから「他に休む方法をとればいいのに、出てくるな」と嫌がられるという、どちらのハラスメントもありえる問題だとは思うが、まず最初に強制的に出社させられることはハラスメントだけの問題ではないため、別の話である。また、会社に出ないと同僚に何か言われるということも、社内での教育や啓発が不十分である(出社させると感染するリスクがあるし、そもそも規制されていることを知らない人も多い)事実の話であり、人間関係の問題という捉え方では不適切だろう。

なので、インフルエンザにかかわるハラスメントが何パターンかあるのはわかるが、出社を強制する話は別に扱うべきだと思う。

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