Scribble at 2018-12-10 09:53:42 Last modified: 2022-09-28 17:54:43
沼口麻子さんが書いた『ほほ命がけ サメ図鑑』というサメの本を寝床で読んでいる。最近は枕元へ置いたままになっているが、冒頭で、サメによる被害というのは思っているほど多くないと説かれていた(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55713 でも同じ趣旨の文章が読める)。雷に打たれる人よりも少ないという。
もちろん、これは一種の統計のトリックである。郊外に出て歩く人、つまり雷に打たれる可能性のある人の分母は(雨が降らない地域に住む人々を除く)地球上の大多数の人口だが、サメが生息する熱帯地方の海岸で泳ぐ人、つまりサメの被害に遭う可能性のある人は、恐らく地球上の人口のうち、雨が降らないとして先に除外した人口よりも更に少ないだろう。よって、正しい統計をとるなら、熱帯で海水浴やサーフィンを楽しむ人の中で、サメに襲われた人の割合と、雷に打たれた人の割合とを比べなくてはいけない。すると、サメの被害者は雷に打たれるどころか交通事故なみの割合になる可能性もある。そして、交通事故はもちろん他人事ではないだろう。