Scribble at 2023-04-28 14:27:55 Last modified: 2023-04-28 14:39:20

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Facebook で Cybersecurity and Privacy Law Handbook という書籍が PDF としてダウンロードできるということらしいから、試しにアクセスしてみると、まず Download ボタンというのがあった。もちろん、そのままダウンロードできるはずがあるまいと思っていたら、メールアドレスを入力するフォームが出てきて、そこへ入力して送信すると、次に社名と氏名を入力するフォームが出てきて、詳しい情報が入力されていないという「エラー」の表示になっている。最初からフォームに入力させないでおいて、何がエラーなのかよく分からんが、そこでフォームに入力すると、更に違うフォームが出てきて、社員数とか詳しい会社の番地とかを聞かれる。そこでもまた、入力に不備があるという体裁だ。

僕が、間接的にだが Library Genesis のような海賊版サイトを「必要悪」だと言っているのも、こういうことが理由だ。正規にデータや商品を提供しているサイトこそが、個人情報保護法違反やダーク・パターンを活用したインチキを平気でやってる。つまり、まともな提供者なんて一人もいないからこそ、こっちも実質的には不正で対抗するしかないのである。誠実にやっている相手には、もちろん僕もクレジット・カードの番号すら通知して購入したりしているが、上記のような事例については SciHub や Library Genesis に PDF が追加されていたら、そっちからダウンロードする人がいてもしょうがないと思うね(もちろんお勧めはしない)。

それからダーク・パターンの話題として議論を進めると、マーケティングをかじったような人々の中に、フォームで最初から数多くの入力を求めるとコンバージョン率が下がるという事実を持ち出して、こういう段階を追うような手順で少しずつ入力してもらうようなフォームの設計が UX として望ましいと言う人がいる。もちろん、それらの情報が全て必要であれば、工夫の仕方として考慮する余地はあろう。でも原則として、それだけの情報が本当に必要なのかという観点が常に欠落しているのが、他人のプライバシーや個人情報を屁とも思ってないマーケティング屋というものだ。もちろん僕らのようなセキュリティなり個人情報保護の分野で仕事をしている人間にも一定の偏向はありえるため、こういうことは正当な牽制関係(形式だけの偽のバランスや両論併記ではなく)で判断しなくてはいけない。そのためには、僕のようにデザインもプライバシーマークの運用もできる、フル・スタックや DevOps など軽く凌駕するスケールの人材などいなくていいわけで、社内でそういう関係を適正に作ることだけが求められる。そして、そういう社内の体制を作れるのは、はっきり言って経営者だけなのである。

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