Scribble at 2022-05-09 13:29:30 Last modified: 2022-05-09 18:55:08

This is somewhat misleading as the initial part of their page says `BU meets 100% of demonstrated financial need for all admitted, first-year students who are US citizens or permanent residents.`

Boston University Undergraduate Costs Reach $80k (bu.edu)

ボストン大学は19世紀の後半に設立されていて、自由な学風をもち、学生が教員と相談しながらオリジナルのカリキュラムを作って履修できるという興味深い制度も持っている。おおよそ全米の大学ランキングでは100位以内に入っている名門の私立大学と言ってよい。そういうこともあってか、額面としての学費は年間で $82,760($1=130円として1,100万円ほど)となっていて、アメリカでは「標準的な」学費だが、これは日本だと医大の学費を遥かに超える。参考までに私立の中堅医大として関西医科大学の学費を挙げておくと、年間どころか〈4年間で〉700万円ほどだ。

もちろん、それゆえに学生ローンの返済が厳しくなって、アメリカでもワーキング・プアとなる人が続出している。上記で引用したとおり、確かにボストン大学のページは誤解をまねく表現をしていて、「入学した生徒の経費を完全に満たす」と言われただけでは意味が分かりにくい。これは、要するに年間で1,000万円の学費がかかるとしても、学生がこれを全て支出する必要がないよう、助成金や奨学金や低金利のローンなどでカバーできるようになっているということなのだが、金額の詳細ばかりが目に付く。それに、助成金や奨学金は一部の選抜・承認された優秀な学生だけが取得できるのだから、どのみち普通の学生は低金利だろうと何だろうとローンを組まなくてはいけなくなる。

かようにして、アメリカの大学では高度で素晴らしい教育環境と授業が与えられるのは確かだが、やはりそれに見合うコストというものが必要だ。これだけの財政的なバックアップがあるからこそ、アメリカには sabbatical leave のような制度があるし、大勢の教員を抱えられるわけである。例えば、ボストン大学は哲学科だけでも19名の教員を擁している(哲学科の履修範囲で授業を受け持つ他の学科の教員も加えたら、もっと多いだろう。また大学によっては退官後も席が残されていて自由に講義する資格のある emeritus の教授を足せばさらに多くなる)。ちなみに学生の数だけならボストン大学と同じくらいいる関西大学は5名だ。

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