Scribble at 2023-11-01 09:35:55 Last modified: 2023-11-01 09:40:43
これは Hacker News のコメントを読んでいるときに、"10x programmer" だと絶賛されていた Adam Dunkels のブログ記事だ。"5x programmer" としては、瞠目に値する人物と言える(まだ言ってるのかよ…)。確かに、これは恐らく全てのサラリーマンにとって至言と言える。なぜなら、サラリーマンとは要するに金儲けを目的とする会社の一部ではあるけれど、単なる部品とは違って自律した判断で業務に従事する(わずかながらでも)権限つまり責任が与えられているからだ。新卒ですら、与えられたタスクについて残業したり追加の勉強をしたり、あるいは社内で自由に他の部署の人間と話をする一定の裁量が与えられている。したがって、誰であろうと自分の行動にどういう意味があるのかを理解して業務に携わるべきであり、ここで言っている「意味」とは "implication" のことだ。これは、上記でアダムが展開している議論と同じである。
もちろん、この手のアドバイスやポリシーの話は昔からあって、"if-then" の思考方法を身に着けよなどというビジネス書を読んだことがある人はいるだろう。サラリーマンの中でも、ずば抜けて「無能」と言えるのは、この自分がやることにどういう影響や結果が予想できるのかを考えずに行動したり、仕事の予定を立てるような人間だ。社内研修で教えられた手順だけをこなしていればサラリーマンが務まると錯覚しているような手合によくいるタイプで、それ以上の自主的な判断や行動を求められると「パワハラ」だの「仕事がきつい」だのと過剰反応する場合もある。本来、コア・コンピタンシーを要求されるサラリーマンとは、チャップリンの映画に出てくるような歯車に比されるような労働者ではない。というか、トヨタの "kaizen" という思想が示すように、ブルーカラーですら単純なルーチン・ワークだけでは「有能な部品」とは言えないのである。