Scribble at 2019-01-16 21:39:04 Last modified: 2022-09-29 08:57:19

引き続き福沢諭吉について、少しずつ本を読んでいる。伊藤正雄さんと言えば『やちまた』に登場する「拝藤教授」のモデルであり、『やちまた』でも戦災で一切の資料を失った不幸をきっかけにして福沢諭吉の研究を始めたという経緯が語られている。それでも福沢の研究者として一定の古典的な業績を上げたのだから、十分に賞賛するべきことだ。そして、その一冊は現在でも手に入る『現代語訳 学問のすすめ』(岩波現代文庫)だが、これは現代語訳だけが掲載されているので、この本の中でも原文と共に注釈を多く加えたと伊藤さんが紹介している、旺文社文庫の『学問のすゝめ』も手に入れてみた。ただ、この旺文社文庫版は「原文」とは言っても伊藤さんが句読点を加えていたり、改行したり、送り仮名を変えたりと、意外に手が入っているようだ。したがって、明治の人々が手にしたであろう原文は、恐らくは福沢諭吉の全集、あるいは古書として手に入るかもしれない本物の原著を求める必要があるだろう。僕はそこまでする必要は感じていないので、伊藤さんによる二冊の本で十分に僕自身の思索の参考となる。

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