Scribble at 2020-09-16 13:06:49 Last modified: unmodified

同じメールが何度も送られてくるという問題が起きているサイトがあるらしく、技術者の意見ではメールが不正と判定されてリトライしてるのではないかという。そして、きちんとレコード情報まで調べて SPF レコードが三つも多重定義されていることを見つけてくれた。SPF レコードの多重定義はルール違反なので、オンラインのチェック・サイトを利用すれば、ドメインを入力して定義されている SPF をチェックするだけでエラーが出るから誰でも分かる。だが、誰がこんな設定をしたのかは知らないが、恐らく SPF の仕様も理解していない人がやったとすると、或る意味では仕方のない間違いだったとも考えられる。

たとえば、うちの会社でも G Suite にメール・サーバを移行したときに SPF レコードを変更したわけだが、Google のヘルプを読んでいると「この場合には SPF レコードをこう書く」という説明が、ケースに応じて箇条書きになっているように読める。すると、予備知識がない人にしてみれば、それら幾つかのケースが当てはまるのだから、SPF レコードについても箇条書きされた内容を《それぞれ》記述すればよいという理解に落ち着いてしまい、それゆえケースに応じて SPF レコードを多重に設定してしまう恐れがある。つまり、説明に対応して《レコード情報の箇条書き》をしてしまうわけだ。

このようなリスクを考慮して、誤解を招かないような解説をするのが「エディトリアル・ライティング」という技法の価値だし、ひいては「UX」などと雑に言われているものの本当に大切な効用でもある。はっきり言ってサイトを閲覧するビジターに《ええ思い》をしてもらうなんてキャバクラの店長みたいなことを言ってるだけでは、ユーザビリティやアクセシビリティの話題と同じように、また情報伝達という話が広告の話に引っ張られて歪曲されてしまう。

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