Scribble at 2022-01-30 15:42:05 Last modified: 2022-02-02 08:55:09

添付画像

Android のスマートフォンを使っていて、ここ数年にわたって困惑させられているのが、ブラウザや検索エンジンのアプリケーションで「共有(Share)」のボタンをタップしたときに表示される共有先が殆ど自由にならないということだ。

上の画像で左端の画面が、DuckDuckGo のアプリケーション(検索エンジンと内部ブラウザがセットになっているらしい)で共有ボタンを押したときに出てくるメニューだ。まず不愉快なのが、最上段に並んでいる共有先として、絶対に SMS(+メッセージ)しか選べないようになっているということだ。連れ合いの連絡先と、その横にはあろうことか au の公式とか災害対策の連絡先が並ぶ。そして、なぜか右端に Google Drive のフォルダが出ている。このフォルダが選ばれた理由は分からないが、恐らくはファイルをアップロードして自宅のデスクトップ・パソコンとやりとりするのに最も使っているフォルダだからだろうか。そして、その下に共有先が色々と並んでいて、僕は URL をシェアするときは自分自身のアカウントに対してブックマークのように使うので、Google Keep を頻繁に使う。よって、頻繁に使う共有先は(Google Keep のアイコンで押しピンのマークが見てわかるように)リストに固定できるのは良いことだと思う。しかし、固定できるというだけで順番を替えられるわけでもないし、SMS の代わりに最上段へ置けるわけでもないのは残念だ。

しかし、問題はそういうことだけではなく、このアイコンをタップした際に著しい頻度で誤作動が起きるということだ。具体的には、Google Keep のアイコンをタップすると、おおよそ9割の確率で+メッセージが起動してしまう。場合によっては他のアプリケーションが起動することもある。おそらくだが、アイコンを並べるまではキャッシュから即座に反応できても、イベントに対する挙動としてアイコンごとにメモリへ展開するサブルーチンのセットアップが間に合わないのだろう。よって、準備ができないうちにタップされてしまうと、最初に用意できたサブルーチンが代わりに発火してしまうわけだ。JavaScript ベースで UI を実装するなどという、子供の遊びみたいなことをやるから、こんなことになる。

というわけで、いかに DDG が思想として Google などより「お上品」なスローガンを掲げていようと、欠陥アプリケーションを提供されたままでは我慢にも限度というものがある。いかに無料で公開しているアプリケーションであっても、他に選択肢がある状況で幾らでも無能の成果物を使い続けよと言われても困る。われわれは、そもそも〈プライバシーを守るために何事かを検索したりブラウジングしているわけではない〉からだ。検索エンジンやブラウザの本質的な機能を適切に実装することなく、どれほど社会正義を唱えたところで無駄であろう。たいていの人間は、社会正義のためにスマートフォンでキーワードを検索するわけではない。

さてしかし、その代わりに Edge を使っても、今度は真ん中(第一段階)と右端(第二段階)のように、共有ボタンをタップした際に Google Keep という選択肢が現れるまでに手間が2段階もかかるという別の問題がある。第一段階で GMail や Twitter のように不要なアイコンが並ぶリストを(画面では全く使い方がわからないので覚えて慣れるしかないのだが)左へスライドさせると、次の段階へ進むメニューが出てくる。それをタップして、やっと右の二段階めの画面になるのだ。しかも、その第二段階の画面は、DDG のときと同じく、最上段に Google Drive フォルダが何の意味があるのか固定されている。そして、ここでも Google Keep のボタンをタップすると無関係なアプリケーションが立ち上がることが多い。いかにビジネス上の目的があって実装しているのであろうと、これほど使い勝手の悪い UI をよくも設計できたものだと思う。これでは逆に共有するという挙動をやめてしまう人が増えても仕方ないのではないか。結局、この手の消費者の行動パターンを変えたり委縮させて売り上げを落とすのは、安物リバタリアンの経済評論家や GAFA の提灯持ちでもある IT ジャーナリストや投資家の身勝手な理屈とは違って、実は公的機関の規制などが原因ではなく、自分たち IT 企業の未熟な技術そのものではないのかという気がする。

ちなみにだが、この手の話題を検索すると、下記のように Sharedr という Android アプリケーションを紹介するブログ記事が非常に多い。

https://novlog.me/appli/apk-sharedr/

でも、Google Play で見たらインストール数は非常に少なく、まともに評価できるものではない。

[追記:2022-02-02] 上記のようなふざけた共有機能の押しつけは、検索用のアプリケーションというよりもブラウザに依存するようなので、ひとまず共有機能を使う用途としては Firefox を導入した。何かの理由でスマートフォンで Firefox は使っていなかったのだが、これを使うと、共有機能として任意のアプリケーションを選んで固定することはできないままだが(なんでこれくらいのことができないのだろう)、よく使う共有機能は最も左に並ぶようなので、何度もメニューやリストをタップしたりスワイプする手間は少なくなる。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook