Scribble at 2022-08-18 11:53:01 Last modified: 2022-08-18 12:04:10

既成の大手メディアでどれだけトレンドだの何のとデタラメな印象操作を続けようと、RPA が全く普及していないというのは、既に多くの人が実感として同意できる事実だと思う。そして、RPA を提供するソフトウェアの企業から送られてくる営業メールとか、あるいは実際に RPA のアプリケーションを使ってみると、まぁ当たり前だよなと思う。

はっきり言えば、RPA を何か新しくて有効なテクノロジーだと宣伝してる連中は、未熟な自動化ツールの市場を捏造しているにすぎない。そして、未熟であろうとなかろうと RPA にはプログラミングされた手順を〈自動で実行する〉能力はあっても、個々の事業者で期待される業務の特殊な事情や社内ルールや環境などへ〈自動で対応する〉能力が欠落しているという原理的な問題があり、RPA の初期セットアップや調整に社内リソースがかかりすぎて、殆ど無能なインターンか派遣を招き入れたのと変わらない状況となる。自動化ツールがあろうとなかろうと、要件を業務に落とし込む情シス担当とか SE のいない会社で RPA を導入したところで、結局は情シス担当や SE を一時的であれ雇うのと変わらない初期コストがかかってしまう。そして、最初に設定したら後は自動処理に任せられる(そして人材採用のコストが減ったり生産性が上がる)と思っているなら、それこそ RPA を理解していない証拠だ。

よって、毎年のように何百人と馬鹿を採用して研修する暇も金もあるような大企業でしか RPA なんて使い物に(なる用途があるとしても)ならないのだ。零細企業やベンチャーで新卒なんて採用しても歩留まり率が悪かったり教育コストがかかりすぎて、無用もしくは無効な人材採用こそが事業者の生産性を低下させて倒産の原因になったりするのを知っていれば、RPA というのはまさに「無能」を採用したのとまったく同じだと言える。たとえば、企業のドメインを集めたデータベースから手当たり次第に /contact のようなディレクトリへアクセスして、そこにフォームがあったら定型の文章を送信するといった、スパム・ロボットとかには使えるだろう。でも、そんな〈自分のやり方〉で営業メールを送り付けること自体が、その企業の価値をどんどん引き下げるということに、RPA のロボットは絶対に気付いてくれないのだ。

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