Scribble at 2026-06-04 21:37:13 Last modified: 2026-06-04 21:38:04

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uniball ZENTO

このところ立ち寄っている文具店では、僕が愛用してきた uniball Signo 307 の替芯が見当たらなくなってきている。三菱鉛筆のサイトでは商品カタログのページとして掲載されてはいるものの、もはやアマゾンでいつ頃の納品なのかも分からないような替芯を聞いたこともない業者から買うしかないというありさまである。なので、残念ながら次に使うペン(というか替芯あるいはインク)を選ばなくてはいけないのだろう。

既に何年か前に書いたことだが、いまボールペンで最も売れていると言われる SARASA は却下だ。とにかく横展開が極端であり、無用にインクの色を増やしたり、インクとしての質が殆ど別商品ではないかと思うような「速乾インク」などと称している商品もあるし、何よりも発売されてから1年足らずでインクの出方が安定しなくなり、すぐに擦れるようになった。品質管理への投資を怠って大量生産した結果であろう。売れているのは、不良品があってもガキの小遣いで買い替えられるていどの価格帯であるため、インクの種類などに幻惑された人々が品質よりも情緒的な訴求力に負けたけっかであろう。要するに SARASA は、まともな大人が買って使うような商品ではないのである。だが、SARASA のブランドで唯一の長所は、ボールペン用として1,200円ていどで手に入る金属製のボディが発売されていることだ。実は、僕は自宅で使っているボールペンの替芯は Signo 307 でも、ボディは SARASA Grande なのである。

次に EnerGel は、そのボディが最初から扱いやすいので気に入ったペンである。インクは、正直なところエマルジョン・インクとしては凡庸という他になく、これと言った特徴も利点も(欠点もだが)ない。どうでもいい。なので、SARASA Grande のボディを使い始めるまでの数年は、この EnerGel のインクを外して Signo 307 の替芯を入れていたのである。ちなみに、どうしてこんなことができるのかというと、国内で生産されているボール・ペンというのは、サイズや形状が JIS で決まっているからなのだ。なので、uniball の替芯をゼブラのボディに入れて使えたりするのである。これは、替芯とボディの使い勝手や評価が一致するとは限らないことがあるので、非常にありがたいことだ。一般論として、このような規格化や標準化をクリエイターというのは嫌うものだが、必要で有益な規格や標準というものはある。実際、何をデザインやクリエーティブと呼ぶかの問題はともかくとして、印刷あるいはモニター表示における色の標準などが国際的に定まっていなかったら、芸術家だろうとピンクちらしの版下職人だろうと困るはずだ。

とまぁ、幾つかのインクを試していて、本日は出社した時にアヴァンザの「デルタ」という文具店で、この "ZENTO" を見つけて購入してみた。店頭でサンプルを使って試し書きした限りでは、良好な印象だったからだ。まず、ボディがマットな質感で握りやすい。そして、僕が好むフラットなボディであることも加点の理由だ。それと対照的に、Singno 307 はボディの形状が立体的になっているのだが、これは僕は良くないと思っている。理由は明快で、人によって手の大きさやペンの握り方、あるいはペンを持つときに力を入れる位置だとか支点となるポイントが違うからだ。なので、ボディを「握りやすいように」立体的に造作してしまうと、実は特定の手の大きさと握り方の人だけがフィットするような形状とならざるをえず、逆に大半の人にとっては扱い辛いボディとなりかねないのである。事実、僕のように、東アジアの辺境地帯に住む「日本人」などと呼ばれている猿とは違って、人類としての手の大きさをもつ者にすれば、Signo 307 のボディはそもそも小さすぎるし、グリップの形状も合っていないので、すぐに疲れたり、指にボディの突起が原因となった跡ができたりする。つまり、フラットな形状というものは、平均的に、どんな手の大きさであろうと、またどういう風にペンを握る人であろうと、フィット感は不足していても強い違和感を覚えないようなボディなのである。そして、そういう無難な形状のボディに自分の握り方を合わせる方が、誰しも簡単なのだ。

ただ、この ZENTO が Signo 307 の後継になりうるかと言えば、ちょっと難しい気がする。その理由の筆頭は、やはり ZENTO が水性インクを採用しているからだ。ZENTO のインクは顔料が含まれているタイプの水性ジェルなので、もちろん滑らかな書き心地だけでなく耐水性や耐光性もあるのだが、自宅に帰って暫く試してみると、やはり水性インクの欠点である「乾きが遅い」という問題がある。書いてから暫く放置しないと、書いた直後に指で文字を擦ったりするとインクが広がって汚れてしまうのだ。

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