Scribble at 2022-06-09 13:38:31 Last modified: 2022-06-10 11:02:04

プログラミングの原理という関心からコンピュータのハードウェアとしての動作に関心が進むと、当たり前のことだが論理回路といった設計レベルの話題とか、電子回路という工学的なモデルの話題についても勉強したいという意欲が出てくる。

電子回路については、今どきの精密な回路を自分で扱うわけにはいかないため、原則を理解するには何らかのシミュレータを利用できれば望ましい。幸運なことに、現在はそういうシミュレータが色々とあって、もっとも知られているのは SPICE というレイアウト設計のシミュレータや VHDL/Verilog といった記述言語をサポートする機能設計のシミュレータだろう。このうち、SPICE については50年近く前に開発が始まってから幾つかのシミュレータが公開・発売されていて、日本では商用の製品を除けば LTSpice という無償で使えるシミュレータが圧倒的なシェアをもっている。無償でありながら、製品として販売されているシミュレータのトライアルみたいな機能制限が全くないので、それ自体をそのまま使い続けても問題がないからだ。いまでは、LTSpice のコミュニティもできていて検定試験すらある。

他の色々な工業製品などにも言えることだが、初心者が商用のアプリケーションを検討するのは、どういう目的であれ僕はお勧めしないし、現実には買おうとする人もいないだろうと思う。SPICE 系のシミュレータだと、他に PSPICE とか色々とあるが、販売している企業のサイトに全く値段が掲載されておらず、値段を知るためだけでも個人情報とのバーター取引で問い合わせなくてはいけないという、かなりハードルが高い障壁を自ら作っている。要するに、冷やかしで購入されて使われるくらいなら、機会喪失だろうと門前払いにする方がいいという判断だろう。これは、お高くとまっているからではないのかもしれない。現実に、冷やかし程度で高額のソフトウェアを買った客に限って、無知・無能を棚に上げて幾らでもサポートを要求したり、馬鹿げた質問を繰り返してくるからだ。そういう客に対応している工数を考慮すると、かえって販売する側にとってはマイナスだということなのかもしれない。

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