Scribble at 2024-09-11 20:24:49 Last modified: 2024-09-11 21:39:15
10のステップで、初歩的な確率論から Stable Diffusion に至るまでのストーリー展開を通しながら生成 AI(特に画像生成)の仕組みを解説している。既に類書で David Foster の Generative Deep Learning の第2版はざっと目を通してあるが、齋藤氏の著書も良く書けていると思う。Foster は原著で1万円近いから、ちょっとコスト・パフォーマンスは比較にならないくらい齋藤氏の方が優れている。日本語とか英語とか関係なしに、初学者には齋藤氏の著作を勧める・・・のだが、そろそろ勧められるような人材が社内にもいなくなりつつあって、当サイトで紹介するくらいしか機会がなくなりつつある。
もちろん、それ以前の話として、日本では生成 AI に関するまともなウェブ・ページがたいへん少ないし、齋藤氏の本が35万部の売上だとは言っても、それってジュンク堂とかで宣伝のポスターがたくさん貼ってある「ページをめくりだしたら止まらない哲学書」みたいな本と同じで、大半の読者にとってはアイドルの写真集と変わらない消費物なんだろう。なので、本書が素晴らしい概論であることは確かだと思うけれど、結局はこれらを読んだ僕らがどういう成果を出すかが全てであって、読んだ人間が結果を出さなければ(齋藤氏には気の毒だが)知識社会学的には「効果なし」である。アイドルの写真集がどれほど売れても、せいぜいティッシュ・ペーパーの売上を伸ばすていどの効果しかないのと同じである。