Scribble at 2025-02-28 07:36:41 Last modified: 2025-02-28 07:42:47
これだけだと、主要メディアと巨大プラットフォーム(サービス基盤)の間で、また何か駆け引きがあったようにしか見えないだろう。だが、これは何か大きな動きが起きる前触れなのかもしれない。今年中にもプラットフォームのニュースに対する力関係に地殻変動が起きるのか、それとも微動で終わるのかという話だ。
報道メディアと GAFAM との関わりは、最初はもちろんウェブ・スクレイピングによる「ヘッドライン窃盗」として紛争の状態から始まり、そしてメディアがプラットフォームを利用せざるをえないという状況へ陥っていた。でも、ヘッドラインだけで他のメディアと区別できるような人というのは、最初からそのメディアを知っていてコンテンツが読むべき価値を持っていると分かってる潜在的な顧客(リード)なので、いまさら Apple や Google を営業代理店にする必要なんてないんだよね。これまでは、メディアの購読へ誘導する経路がなかったわけだけど、いまでは色々な動線があって、ソーシャル・メディアでプレゼンスを維持していれば済むという状況だろう。
それはそうと、この「ケン・ドクター」という胡散臭い(ポール・ボネみたいな、日本人ライターの偽名みたいに見える)著者は、本当に原文の英語で The New York Times を "Times" などと省略しているのだろうか。海外のライターで、イギリスの The Times という別の有名な新聞があることを知らない人はいないと思うのだが・・・と思って原文を見ると、なるほど実在の人物みたいだが、やはり原文では "Times" なんて省略していない。ちゃんと全て(もちろんアメリカ人だから定冠詞まで付けて)"The New York Times" と表記している。こういうのを、「文字数の制限」とか「わかりやすさ」などと時代錯誤と省略効果のリスクも考えない無知無教養で取り繕えると思っているなら、やはり日本の報道機関というのは三流ということだ。