Scribble at 2022-08-26 19:08:23 Last modified: unmodified

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会社の執務室には3つの個室が設置されている。その内部にはスイッチがあって、ご覧いただくとお分かりのように、スイッチにランプがある。このランプなのだが、赤色だと On で、緑色だと Off である。これは人を混乱させるデザインだ。静かな室内なので、どちらでどう動作するかは音を慎重に聞いていれば判別できるのだが、そうでもしない限りは直ちに判別するのが難しい。こういうときは、やはり視覚で直感的に判別するのが指標として便利でもあるし、多くの人がそういう指標で状況を理解するのだから、赤が On で緑が Off という counterintuitive な仕様は困る。なんでこんなことを、会社から給料をもらっている筈のプロのデザイナーが何も考えずに設計してしまうのか、理解に苦しむ。もちろん、説明されれば「〈何かを実行している様子〉として赤色を On として点灯する方がいい」と言われれれば分からなくもないが、逆に赤色のランプは信号でも停止の意味になっているので、そういう類推からは赤色を On として直感的に理解するのは難しいとも言いうる。

であれば、プロのデザイナーとして考えるべきなのは、まずスイッチだけであれば On / Off の区別がつかないという問題があるのは明らかなので、何かによって On / Off の状況を表示しなくてはいけない。すると、一つにはランプを点灯させることも選択肢としてありえるし、他にも On のときだけ切れ込み部分に何かを表示するカラクリを作りこむという方法もあろう。スイッチの形状を On / Off で異なる向きや傾きや位置にずれるような工作をするのは難しいと思うから、いまのようにランプを点灯させるという選択肢にも利点はある。しかし、その色は慎重に決めるべきだった。僕が設計するなら、Off のときは色どころかランプそのものを消して、On のときは白色つまり何か特定の意味を連想させるような予断を持ち込まないような色を点灯させるだろう。

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