Scribble at 2024-01-06 13:06:06 Last modified: 2024-01-06 13:06:37

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調べに対し「盗んだことに間違いない」と容疑を認めたうえで「ボランティアの目的で輪島市に来た」と供述しているということです。

被災地でみかん窃盗か 自称大学生逮捕 “ボランティアで来た”

東北の大震災から13年、熊本の震災からでも8年が経っているので、過去にどういうことがあって、そのときにどういう失敗や成功があり、とりわけ失敗の原因はなんだったのかということは、しっかり記録したり共有する必要があると感じる。そうでないと、この自称大学生がボランティアのつもりで石川へやってきて逆に食べ物がなくなったという情けない事情が本当だとしても、これは外国だろうと国内だろうと被災地へやってくる人間が決して陥ってはいけないことだ。これでは、自分から被災者の一人に加わるようなものだからである。

はっきり言って、先日も書いたように土地勘もない海外のボランティアなんて、どれほどレンジャーの技術があったり災害救助の経験があろうと、基本的にお客さんでしかない。東北の大震災のように、人手が最初から圧倒的に不足していて、やれることを勝手にでもやってくれという状況なら、アメリカ軍の「トモダチ作戦」のようなことでも許されるが、多くの災害救助ではああした勝手な行動をされると自治体は被害状況や救助の状況を正確に把握できなくなって、逆に混乱して的確な救助活動ができなくなるのだ。したがって、自分でサバイバルする用意をしたスキルのある人間でもない限り、この自称大学生のように安っぽい義侠心や承認欲求のようなものだけでボランティアを称して被災地やってくる者は、ただの邪魔でしかない。

こういうことを今の状況で書くのは心苦しいが、プロの救助活動に任せる他にはなく、それ以上の人間を無理に現地へ押し込んでも逆効果である。よって、いま現地で活動している人々が救えるだけの人たちしか救えないのだという理解は、どうしても必要だ。このような広域の災害が起きた場合、どれほど周辺の自治体から余剰の人員を集めても、十分な設備や人員を維持することには限界がある。気の毒だが、全ての被災者を限られた時間のうちで救助することはできないのである。

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