Scribble at 2025-09-25 10:27:34 Last modified: 2025-09-25 10:34:06
昨日は、NHK の「あさイチ」という番組で、就職や採用の話題を取り上げていたのだが、中小企業で経営に携わり、アカウントの作成や就業規則の内容確認、あるいは電子化された労働契約書の送付など、それなりに人事の管掌にも関わってきた一人として言っておくと、人手不足だからといって、中小企業がインターンシップの制度に手を出すのは考えものである。
日本だけで大規模な産業となっている人材斡旋や派遣業といった、「人買い」、「人足業者」、「ブローカー」と言うべき業種の企業が就労市場を牛耳っているのは、はっきり言って異常である。そして、たいていの人材紹介会社や派遣会社なんてのは、就業希望者の職業訓練どころか、本当に当人が自己申告したスキルをもっているかどうかの確認すらせずに企業へ人材を紹介したり派遣しており、有り体に言って詐欺としか思えないようなことをやっている会社が大半だ。それでも、「ミス・マッチ」だのなんのと理屈をつけて、事前の確認ミスだとか、あるいは入社してから就労条件が異なるという、採用側にもよくあるミスに付け込んで、自分たちの責任を回避してきたわけである。その親玉が*中*蔵なわけだが、ああしたリバタリアンが日本の経済政策や財政をゆがめて何年にも渡る不況やインフレを招いた責任は、「国賊」と呼ぶべきことであり、なんで右翼や保守を名乗っている連中が何の発言もしないのか(「行動」は、もちろん推奨しないが)不思議だ。
ともあれ、インターンシップは、派遣社員よりも更に社会常識やビジネス・マナーを知らない赤ん坊みたいなものを育てる必要があるのだから、入社して数時間ほど教えるだけで、同じ条件で働く社員の 3/4 つまり75%ていどの効率で作業できるくらいの仕事をさせる、要はバイト扱いができる会社でない限りは、教育や研修に自社の社員が使った時間だけの生産性の低下なり機械喪失のコストを考えると、全く割に合わないのが現実である。なので、上場したり最初から巨大な資本金をもっている例外的な場合を除けば、たいていのネット・ベンチャーではインターンなんて採用していないし、弊社のように何度かインターンを採用しては、そのあいだの社員の生産性が低下して財務的にそこそこ深刻なダメージがあるということを繰り返している。インターンや派遣社員を送り出してくる会社なんて、手抜きで出来損ないを販売できるのだから、何十年が経過しようと自主的に学生や派遣社員の質を高める努力なんてするわけがないのだ。したがって、10年前に失敗したが、今回は成功するなどという保証はゼロであり、しかも自社で受け入れる体制や研修プログラムをしっかり用意してもいない大多数の中小企業では、インターンなど受け入れるだけ無駄である。結果的に、もともと暇な社員が何人かいても売上に影響しないとか、4時間ほど作業したら残りの4時間は何かが完了するまでの待機時間になっているという、幸運な会社だけが成功するのだ。そして、マスコミ(もちろんスポンサーの多くは人材業界の企業だ)や業界は成功事例しか紹介しないので、こんな初歩的と言える生存バイアスに騙される経営者や人事部署は、会社の金を浪費しているだけである。