Scribble at 2021-01-09 18:19:16 Last modified: 2021-01-09 22:24:53

日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計

凄く単純に計算してみて、大阪府の重症患者(人工呼吸器を装着する必要がある患者で、ECMO を使用する患者も含む)用ベッドは236床と報じられている。重症化率は 5% ていどとされているため、昨年の終わり頃の大阪府は感染者が1日に300人くらいだったから、15人が重症化すると考えられる。自覚症状が始まってから重症化へ至るのに平均して10日、人工呼吸器を装着するような治療を初めると、平均して14日はかかるようだから、重症化へ至るまでの間を含めて、5% の人々は1ヶ月弱は入院することになる。入院すると1ヶ月ていどかかるというのは、昨年の初め頃に言われていたことと同じで変わっていない。志村けんのように自覚症状が出てから10日ほどで亡くなったり、軽症でホテルに入った直後に亡くなるというケースもあったが、いわゆる重症化のリスクが高い人々が多いのだろう。

なんにしても、こういう事実から単純に考えてみても、1日に15人ずつ重症化する患者が増えていったら、236床のベッドが16日で埋まってしまう。その間に治療中の患者が快方へ向かったとしても、治療が平均して14日もかかるのだから、もうギリギリだ。もちろん、14日でベッドが埋まるようなペースまで患者の数が増えると、15人の治療が終わると同時に15人が重症化するのだから、こんなことを続けていてはいつまでも医療従事者は危機的な状況に置かれたままとなる。

システム開発や上場企業のキャンペーンなどで起きたトラブルのような、はっきり言って下らない事案ですら、何日も徹夜でプログラムを書き直したりデータベースの監視をして強い緊張にさらされるわけだが、医療従事者はまさに他人の命に関わる仕事をしている。可能な限り負担を軽減するような措置やバックアップやサポートは必要だろう。いまだに「コロナはインフルエンザみたいなもの」だと威勢のいいデタラメを言い続けている人々、たとえば学部レベルの微分方程式が解けるていどの数理経済の知識で理系アピールしてる気の毒な池田信夫くんを始めとするリバタリアン、それから Twitter で宣伝活動を繰り広げているインチキ医者を始めとする denialists たちは、このていどの算数もできなくて大学の教員をやっているという厳粛な事実を認めるべきだろう。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook