2018年02月01日に初出の投稿

Last modified: 2018-02-01

人文の棚を見ていると、最近はカルチュラルスタディーズや文化人類学でウォーキングや徒歩やトレッキング、つまりは歩くことと思想との関わりについて書かれた本が幾つか出ている。ロバート・ムーアの『トレイルズ』(岩崎晋也/訳、エイアンドエフ)やレベッカ・ソルニットの『ウォークス』(東辻賢治郎、左右社)だ。だけど、やはりこの手のものは「健康病患者」とか「健康大納言」とか「健康王女様」の出現を助長しやすいし(要するに自分の健康のためなら往来で他人を避けさせても歩行やジョギングのルート確保を優先する無礼者が増えるということ。そのメンタルをカジュアルなコピーとして表現すると、「いのち。」だ。NHK の安っぽいナレーションをつけてもよい)、どのみちマスコミが取り上げるにしても「頭がよくなるウォーキング」といった自己啓発系の話に回収されるのかもしれない。

まぁでも、そういうブームというのは、終息したら話題に見向きもしなくなるあほうを取り込んで共に連れ去ってくれるのであれば、邪魔な人間が減って取り組み易くなる。寧ろ「吸引機」だと見做した方がよいのかもしれない。こう考えると、昨今の哲学カフェとか、立命の耽美系の兄ちゃんとか、古い文法を引っ張り出してるスピノザ研究者とか、あるいはアニメオタクの哲学担当取締役もそうだけど、そういう意味では歓迎できるとも言えなくもないな。

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