Scribble at 2024-10-31 17:36:14 Last modified: unmodified
前にも書いたが、弊社で利用してきた電子契約サービスの「クラウドサイン」を解約した。契約ユーザの管理画面からでは解約の手続きが取れないようになっていて、チャットで申請すると解約手順のフォームを知らせるメールが届いた。そこには、解約する理由だとか、競合他社を並べて他のサービスに移るのかどうかとか、幾つかの質問が必須項目で並んでいて、それらに答えてから念押しの項目にチェックを入れて解約の手続きが完了する。
つまり、解約するにあたって遺留するようなアクションはまったくない。これはこれでシンプルだが、僕は(どのみち解約はするけれど)こういう態度は商売人として不見識だと思う。これなら、さっさと管理画面に解約ボタンを一つ付けたらいいだけだ。中途半端に解約理由を集めてマーケティングになるとでも思っているのだろうが、おそらくこういう会社には上場企業にふさわしいマーケティング活動は出来ていないと思う。要するに、いきなり利用料金を3倍に引き上げたことだけでなく、こういうサービス運営に接していても、エンド・ユーザを自分たちのビジネス・モデルの部品としてしか扱っていないし、ユーザではなく株主の顔色しか見ていないように感じるからだ。
上場した企業が急に自分たちを選民か貴族であるかのように錯覚して、違法でなければ何をやってもいいかのように振る舞うようになるというのは、よくあることだ。しかも「クラウドサイン」は、もともと上場する前からでも自分たちが選民だとでも思っていそうな、大企業の顧問弁護士などが経営している会社による運営だから、e-文書法などで黙っていても客が増えて儲かるとでも思っているのだろう。ゆえに、多少の解約があっても些末なことなので、引き止めるような施策を何も打たないわけである。同じくネット・ベンチャーの部長としては、悪い意味でだが参考になる。