Scribble at 2023-11-07 12:57:15 Last modified: 2023-11-07 18:44:07

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Office-sharing company WeWork filed for Chapter 11 bankruptcy protection in federal court Monday.

WeWork, once valued at $47 billion, files for bankruptcy

ソフトバンクが巨額の資金を投じた WeWork が経営破綻した。ちなみに "Chapter eleven" というのはアメリカ連邦破産法の第11条による手続きに入ったという意味だが、日本語で言う「倒産」というのはニュアンスが違っているから使わないほうがいいだろう。Chapter eleven で手続きに入った事業者は、原則として事業を継続するという前提で資産を整理するわけなので、もちろん多くの従業員が解雇されるとは思うが、それは事業体なり事業を存続させるための措置だ。「倒産」というと、社長が首吊り自殺したり、荷車に家財道具を積んで夜逃げしたりという、漫画的で破滅的なイメージを持つ人が多いだろうと思うが、Chapter eleven の手続きに入ったくらいで自殺する経営陣なんていない。会社の経営は厳しいし失敗は失敗だが、もっと肩の力を抜いた方がよい。日本の経営者は「社員は家族」みたいな思い込みで人材をあつかうからこそ、逆に社員を露頭に迷わせるとかいう強迫観念で首を吊ったりするのだ。そんなもん、社員にしてみれば大きなお世話である。バカのくせに何度も口八丁のファイナンスで事業を起こす都内の起業家と称するガキどもも迷惑だが、会社の経営を誤ったくらいで死なれるのも迷惑なのだ。

それにしても、コワーキング・スペースのサービスというのは、ここ日本でも非常に厳しいと思う。現職の本社事業所がある大阪は堂島界隈でも、あの電通ビルが象徴的であったように、オフィス・ビルを解体して跡に建つのはホテルやタワーマンションや商業施設、あるいはそれらの複合ビルだ。いまどきテナント・ビルが新しく建つ事例なんて、堂島では殆ど見かけなくなった。中之島エリアでも、朝日新聞本社ビルとフェスティバル・ホールをブチ壊してから四ツ橋筋を挟んで新しく建ったフェスティバル・タワーとフェスティバル・タワー・ウェストでも、両方が低層階と地下は商業施設になっている複合ビルとなっている。それから、淀屋橋一帯で大規模な再開発が行われるけれど、再開発に関わっている大和ハウスによると、フェスティバル・タワーと同じく地下から地上2階くらいまでは商業施設となるような複合ビルになるらしい。

テナント・ビルですらこんな様子なのだから、コワーキング・スペースやインキュベーション・オフィスなどのサービスは更に厳しいのではないか。これまで、こうした小規模のオフィスを借りていた個人事業主や零細事業者というのは、早い話が取引先が近いからこそ利用していたのであって、これが相手もリモートで余計にそれぞれの自宅でバラバラに仕事をしているとあっては、もう都心にオフィスを借りる意味もなくなる。

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