Scribble at 2023-11-27 17:51:39 Last modified: 2023-11-27 23:00:14

自分が使っているアプリケーションでの作業を更に効率的に実行するためには、ここ最近だと RPA という選択肢が出てきた。しかし、実際には大して導入されている様子がない。寧ろ、アプリケーションを使うことをやめて、自動処理してくれるオンライン・サービスを使い始めるという思考の人が非常に多いような気がする。これは、僕が見ている限りは非常に良くないことだ。

第一に、既存のサービスにロック・インしてしまうので、相手の仕様に合わせてこちらが業務するという倒錯が起きる。文字通り、犬が尻尾に振り回されるという構図だ。そして第二に、どうしても使い辛くなって別のサービスへ移行する際の負荷が非常に大きくなる。Excel 用に開発されたマクロを別のものに替えるという場合は、基本的にそれが Excel で動作するという共通点があるけれど、オンライン・サービスにそういう共通点は多くない。

或るオンライン・サービスから別のオンライン・サービスへ移行する際にも、同じくブラウザを使っているという共通点はあるものの、それはどちらかといえば Excel のマクロに置き換えたら「同じく Windows を使っている」という、もっと基本的なレベルの話だ。ところが、オンライン・サービスだと UI に国際的な、あるいは業界内でのフォーマットや規格なんてものがないため、サービス事業者によってバラバラの操作性や画面設計や UX デザインとなっていて、相当に慣れるまでは誰でも混乱する。

RPA を使えば、作業する道具は従来のものをそのまま使える。RPA は、単にそれらの作業をプログラムで代行するだけだからだ。ところが、そういうツールがどんどん出てきているのに、あまり使おうとしない。効率が上がると更に仕事を押し付けられるとでも思っているのだろうか。もちろん、それは否定しない。これまで1時間かかっていたことが RPA を使って1分で終わるなら、RPA を使って30分くらいかかるていどにタスクの分量を増やすのがビジネスの道理である。それでも30分は自由に使える時間ができるのだ(もちろん、遊んでいていいわけではない)。

ただ、まだ RPA は具体的に調べると多くの人に尻込みさせるようなサービスやツールが多いと思う。とにかく遅かれ早かれ「プログラミング」なんてことを言い出せば、多くの人がたじろぐからだ。これはデジタル・ネイティブなどと呼ばれている30代以下の人々にとっても同じである。彼らは、オンライン・サービスの利用に慣れているだけの「ユーザ」であって、別に生まれながらのプログラマでも起業家でもない。寧ろ、IT 企業や GAFAM にとっては、デジタル・ネイティブというのは何でもオンライン・サービスやネットで解決しようとする狭い思考しかできない、生まれながらの「カモ」である。

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