Scribble at 2026-09-26 10:00:24 Last modified: 2026-09-26 10:03:35
「不気味の谷」とは、ロボットなどの人工物が、人間に近い見た目や振る舞いをすることで、かえって不安や薄気味悪さを感じる現象だ。悪名高い「AI俳優」ティリー・ノーウッドが最近受けた一連のインタビューは、まさにその言葉で表すのがふさわしいだろう。
WIRED にも同じ話題が掲載されていたのだけれど、これらがウェブのメディアに掲載されているという事実に照らして、少し違う話をしておきたい。それは、そもそも昨今のゴミくずみたいな広告やダーク・パターンで埋め尽くされたウェブのメディアに、生成 AI で生み出される映画やウェブ・コンテンツのクォリティを批判する資格など殆どないということだ。おまえたち無知無教養で礼節や知性や社会道徳のかけらもない、報道機関やメディアの人間こそが、ウェブをゴミで埋め尽くしてきた「最初の元凶」なのだ。生成 AI は、それらのゴミを食べて成長したモンスターであるにすぎず、そういうモンスターを育てるのに貢献してきた、クズみたいなネット広告代理店やマーケティング会社さえなければ、ここまで事態は酷くならなかったであろうとも言いうる。
もちろん、だからといって生成 AI でつくられたコンテンツの質が悪くても免罪されるわけではない。実際に、あちらこちらで見かける生成 AI を利用した広告やコンテンツにはウンザリさせられるものが多い。たとえば、Osaka Metro の駅に掲載されている壁広告のグラフィックスなどは典型であり、水面に映っている山の形が全く違うとか、写真のようなイラストの左右両端で光源の向きが正反対になってるなんてのは珍しくもない。いわゆる「マスピ顔("masterpiece" というタグで生成されるようなテンプレの美少女顔)」のキャラが描かれたイラストでも、指が7本あるとか、左脚の先端に右足がついてるとか、どう見ても新海誠のキャラだろうとか、そういうのも多い。実際、生成 AI の高性能さばかり報道されるために錯覚している人は多いと思うのだが、先日の落書きで『白夜行』の解説が出鱈目だったという事例でご紹介したように、最新鋭のモデルですら簡単な事実関係を平気で間違えるし、それについて不十分な知識しかないかもしれないと自らを疑う知性もなく、それゆえ「分からない」と言えないハルシネーションの問題が全く解決されていない。いまだに最新のサービスですら、信頼できるのは表記揺れのチェックや文章の論理的な矛盾の発見など、言葉の意味を理解していなくても文字通り「機械的に」できる作業だけだ。
だが、逆にコーダとかアナウンサーなんてのは生成 AI で簡単に置き換えできるのも事実だろう(NHK や民放がいまだにアナウンサーを AI の TTS に置き換えていないのは、単に組合が抵抗しているからだろう)。アナウンサーは声優とは違うのであって、報道原稿の読み上げにつまらない演技や、学級委員的なコメントなんて必要ないのだ。