Scribble at 2024-01-13 12:58:32 Last modified: 2024-01-13 13:05:01

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Hashlife

ライフ・ゲームの応用として、未来の世代を高速に導くための手法だという。メモリを大量に消費するというトレード・オフがあるらしいので、当たり前だがいくらでも速く遠方まで演算できるわけではない。そして、これは昨年の末にも書いたことの繰り返しだが、それでいったい理論的にも工学的にも商業的にも何の意義やメリットがあるのか、結局はコンピュータ・サイエンスの学者で具体的な効用を説明できた人は一人もいないというのが僕の結論だ。これでは、いまのところ学術的にすら意味のない数学と概念のおもちゃにすぎないのであって、確かに頭の良い人にはおもちゃで遊ぶ自由があるけれど、大学の教員なりシンクタンクの研究員というプロパーとしては、そんなのは無責任でしかない。

これも繰り返しになるが、ライフ・ゲームの典型的な見本の映像が「生き物の動きに見える」のは、セット・アップとしてそういう配列になっている行列を選んでいるからであって、実は数学的に言ってそういう選択に必然性はない。たとえば、3 x 3 マスという非常に単純な配列を考えると、これを 3 x 3 マスの2次元配列として扱うのであろうと、あるいは ■□□□■■□■□のように一次元のシーケンス数値列として扱おうと、世代ごとの変換ルールをそれぞれのセット・アップに応じて適切に決めておけば、マスが世代ごとにどう値を変えるかは数学的に全く同じ結果となる。でも、■□□□■■□■□という並び方のマス目の変化は「生き物の動きに見えない」からといって、二次元の配列で変化するマス目と何か違うというなら、それはもう数学の話ではない。

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