Scribble at 2025-11-17 21:22:09 Last modified: unmodified
このところ、再び文化刺繍の資料を集めていて、国立国会図書館のデジタル・データも幾つかあったし、「日本の古本屋」でも安く冊子を手に入れたので、今度はヤフオクを物色してみた。これまで、ヤフオクは品物を見るだけで取り引きはしてこなかった。理由は、決済方法としてクレジット・カード情報を登録するのは憚られたからだ。でも、いまは PayPay を使っているので、これを Yahoo! JAPAN ID と連携させて、気軽に買えるようにした(もちろん、気軽に「買う」わけではないが)。そして、手始めに上記の商品カタログを即決で購入した。手数料と合わせて900円ほどとなる。この手の資料は、安く手に入るなら見逃す理由がないので、即決の価格でも十分に支払うだけの価値がある。
これらの資料を集める理由の一つは、Gemini などに質問してもオンラインの情報でしか答えられないから、オンラインに情報がないと思われる資料は購入したり図書館で閲覧するしかないからである。特に、文化刺繍は「松嶋式文化刺繍」「東京文化刺繍」そして藤崎豊治氏の「文化刺繍」という三つの名称があって、これらが同じなのか違う流派なのかという関係を理解するための資料が殆どないという現状にあるから、実際にそれぞれの作品や道具にどんな違いがあるのかを印刷物で確認するしかないのである。正直、これらの技法を現代にも継承している人物を見つけるのは困難であり、こういう手芸関連のコミュニティというのは、敢えて言わせてもらうが学術団体とは比べ物にならないほど文書化なり記録の作成や保存に関心をもたない杜撰な組織が多いので、実際にいまでも文化刺繍をやっていると称する人々だからといって、彼らの思い出話ていどを「当事者の証言」として鵜呑みにするわけにはいかない。もちろん、社会学や文化人類学の手法で情報を相対化あるいは保留しながら彼らの記録や発言を参考にすることはできるだろうが、正直なところ趣味としてやっているていどのことにそこまでの時間と僕自身の才能を使おうとは思っていない。
なんで僕が文化刺繍に関心をもっているのかというと、簡単に言えば母親が取り組んでいたからだ。大きな虎の絵を覚えているし、実際に僕も小学生の頃に制作したことがある。そういう、なんだかんだ言ってもセンチメンタルな動機で調べているだけのことだから、学術的な水準で体系的な知識を身につけるといった目標があるわけでもないのだ。