Scribble at 2021-02-27 12:12:28 Last modified: 2021-03-01 09:40:18

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ということで、また New York Times の online subscriber となった。暫く間が開いたからか、また安い値段でスタートできる。これを繰り返すと、「最初の3ヶ月は無料で」とか言われて色々な新聞を〈新規契約〉しなおしてる人みたいに安く読み続けられるんだろうか。まぁセコい話ではある。正規の online subscriber として払う金額ですら、おおよそ月額で900円弱である。これを、毎日のように大量の〈英語教材〉が届くと思えば、確かに正答はどこにも見つからないにせよ、国内の英語教材を購読するのに比べて破格と言えるコスト・パフォーマンスだと言える。

もちろん、英語で書かれたニューズ記事なり文章を読むだけなら、それこそ無料で幾らでも転がっている。しかし、それが〈読むに値する文章〉であるかどうかは、それが無料で適当に探したものであればなおさら、誰も保証はしてくれない。もちろん、そんな保証など社会生活で言語を習得する上ではありえない話ではあるけれど、やはり〈くだらない英語〉で学ぶよりも、それなりに信頼されていて、くだらない文章には大量の批判が集まるメディアの文章で学ぶ方が正統というものだろう(他方、産経であれ読売であれ朝日であれ、日本の新聞を読んで日本語の勉強をしろと留学生に勧めることなど全くできないという時点で、既にこの国は〈終わってる〉ような気もする)。

よく、僕は日本のマスコミなんて東大出身でも「たかが学卒の素人」だと言うのだが、海外の新聞社やテレビ局で働く人に博士号をもつ人が多いという事実をわざわざ指摘している理由は、権威主義ではない。そうではなく、自分が関心をもつことに強い熱意のようなものがあれば、当たり前のことだがそれを適正に理解して他人へ伝えようとするからには、専門的な技能なり知識や経験が必要であり、その最もスタンダードな方法は大学で学ぶことなのだ。よって、博士号をもっているというブランドが重要なのではなく、当たり前のことだが博士号を取得するレベルの研鑽を積んでいる人が自分の専門とする分野について取材したりものを書いているのが海外のメディアであり、そんなのは高等教育が整備された現代においては当たり前だろうと言いたいだけだ。日本の新聞社やテレビ局のような、学卒の素人が政治家の自宅前や記者クラブに何年も張り付くという「叩き上げ」こそがジャーナリストの経験なり知見というものだという現場主義や安易な経験至上主義こそが、反知性主義の実態だと言いたい。

要するに、日本の反知性主義を醸成しているのは、国際標準で言えば「低学歴」としか言いようがない、日本のマスコミや出版社なのだ。

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