Scribble at 2026-07-03 21:01:41 Last modified: unmodified

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「ことしの春闘について、労働団体の連合が最終的な集計を行ったところ、平均の賃上げ率は5.01%と、3年連続で5%を超えたことがわかりました。一方、中小企業では賃上げ率は4.69%と、去年を上回りましたが、5%には届きませんでした。」

さきほども NHK の『ニュース7』で春闘の話題を取り上げているのを眺めて、もうこんな現実離れした話題を歳時記のように扱うマスコミというのは、果たしてリスクを超える効用があるのだろうかと思ってしまう。[以下、Gemini による作文を僕が推敲・修正している。}

春になるとテレビやネットのニュースを賑わせる「春闘」や「満額回答」、そして「過去最高の賃上げ」という華やかなフレーズ。物価高に苦しむ現代において、一見すると日本経済全体が活気づいているかのような印象を受ける。しかし、その報道を観ている多くの人々にとっては、自分の給与明細と見比べたときの強烈な違和感が拭えないであろう。もちろん、今年の人事考課でかろうじて基本給が5,000円は上がったけれど、実際には年金や社会保険の利率が即座に上がって殆ど水泡に帰した僕にとっても、状況は非正規労働者の人々と大して変わらない。マスコミが報道する限りでは、これほど給料が上がっていると言われているのに、なぜ僕らの多くはそれを実感できないのか。その答えは、日本の企業構造と労働組合の偏った現実に隠されていると言ってよい。

日本の労働環境を語る上で欠かせないのが労働組合の存在だが、厚生労働省のデータによると、現在の日本の労働組合組織率は約 16 % と、過去最低の数字を更新し続けている。これだけでも働く人の8割以上が組合を持たない環境にいることが分かるが、これを「会社の数」という基準で見直すと、さらに衝撃的な実態が浮かび上がる。日本に存在する企業の実に 99.7 % は中小企業であり、大企業はわずか 0.3 % にすぎない。そして、労働組合が組織され、まともに機能しているのは、この 0.3 % しか存在しない大企業の一部に極端に集中している。つまり、日本にある会社の 99 % 以上は、労働組合という組織そのものが最初から存在しないというのが事実だ。しかも、労働組合が形骸化しており、名目だけでしか存在しない企業もある。組合活動は業務時間中に行われるので、要するに従業員の一部を組合活動に従事させる余裕がある企業しか組合なんて機能しないのだ。つまり、組合が機能している企業は潤沢な資金と余裕のある財務状況にあると言えるので、必要に応じて賃金を上げる余裕があるのは当然なのだ。

この構造を踏まえると、メディアが報じる華やかな賃上げの報道が、単なる生存バイアスのサンプルでしかないことが分かるだろう。春闘の報道で引き合いに出される見事な賃上げ率は、主に強力な組合を持つ大企業の数字を集計したものであり、日本経済のごく一握りの例外にすぎない。労働組合のない圧倒的多数の中小企業においては、経営陣と対等に交渉して賃上げを勝ち取るための武器が最初から存在しない。さらに、近年の急激な円安や原材料費、エネルギー価格の高騰は、中小企業の経営を直撃している。大企業のようにコストの上昇分を「お取引先様」(下請け)や販売価格(消費者)に転嫁できない多くの中小企業は、売上が変わらない、あるいは減っている中で経費だけが膨らみ、利益を激しく削られている。賃上げなんてやっていたら、即座にキャッシュ・フローが悪化して倒産するはずだ。

業績が向上するどころか、むしろ圧迫されている状況において、そもそも給料を上げるための原資などどこにも存在しない。一部の中小企業では、深刻な人手不足によって社員が他社へ流出するのを防ぐため、文字通り身を削ったり銀行から借金を重ねて防衛的な賃上げを行っているケースもあるが、これは業績が良いからではなく、そうしなければ会社が崩壊してしまうという苦肉の策にすぎず、長続きするはずもない。社会全体が賃上げのムードに沸いているからといって、自社の給料も自然と右肩上がりに連動していくわけではないのだ。

メディアが映し出すきらびやかな数字は、日本経済のほんの一部を切り取った「事実」にすぎない。そこから排除されたり無視されている膨大な残りの事実には、業績が良くならない中でコスト高に耐え、組合という交渉の場も持たないまま、物価高の波に耐え続けている 99.7 % の企業の社員と、比較対象にすらなっていない非正規労働者などが含まれている。この巨大な温度差こそが、今の日本が抱える最も深い構造的な病理であり、僕たちがニュースに対して抱く違和感の正体そのものである。

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