Scribble at 2022-12-28 19:09:59 Last modified: 2022-12-28 19:11:46

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いわゆる「斜体」と呼ばれている書体には、大別して二つのスタイルがある。一つは、斜めになった専用の書体が用意されている italic であり、もう一つは元の書体を斜めにした oblique または slant と呼ばれる書体である。ただし、本来の oblique は斜めにした際のウェイトに細かい調整をしていて、コンピュータ上のレンダリング・エンジンで機械的に斜めにしただけの slant とは違いがある。いずれにせよ昔から italic と oblique は全然違う書体であり、oblique にすぎない書体を「イタリック体」などと称しているものは、僕らに言わせればイカサマである。

本来は slant を oblique と呼ぶのですらイカサマではあるけれど、実際には oblique の書体なんてコンピュータ用では殆どなくて、たいていは機械的に変換した slant であるから、僕らがウェブ・ページで目にする italic ではない斜体は、おおよそ slant だと言ってもいいのだろう。よって、上記のページで表示されている文字も slant だとは思う。しかし、そういう機械的に変形しただけの(僕に言わせれば)クズ書体なのか oblique なのかは、実は僕にとってはどうでもよかったりする。たとえ上記の文字が oblique だとしても、僕にはこれは「斜体」に見えないからだ。

つまり、直立した文字を斜めから眺めている変な状況に感じられて、なんだか平衡感覚を狂わされて乗り物酔いになったような気分の悪さを感じるのである。要するにクズだからなのだが、ともかく僕にはこういう文字の見え方は生理的に受け付けられない。デザイナーとして云々という以前の問題なのだ。

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