Scribble at 2026-07-28 13:14:26 Last modified: 2026-07-28 13:15:02
Rustがもたらす効果について同氏は、過去25年間にカーネルで発生した全てのCVEを見てきた経験に基づき、学術的な数値ではないと前置きした上で、その80%はRustを採用していればコンパイル時に検出されて消失していたはずだと指摘した。残りの20%は論理的なバグであり、同氏はこれらへの対処に注力したいと考えている。Rustでもプログラムのクラッシュや愚かなミスは起こり得るが、わずかで単純なバグの全てをRustが自動的に処理してくれる点に大きな価値があるという。
コーディングが楽しいかどうかは僕にはあまり大きな問題ではないのだけれど、些細なミスで作り込まれてしまうバグを簡単に発見して取り除けるならありがたい。
なお、Rust は5年くらい前から日本でも入門書の出版ブームが始まって、既に入門書だけで10冊を超えているけれど、ブログ記事などで取り上げられたり、コードの実例が紹介されることは少ない。話題にはなっていて、入門書も山ほど出版されているが、実際に使っている人は少ないと思う。その理由として、日本で「エンジニア」とか「プログラマ」と称している人々の多くが、実際にはコーダであり、つまるところ PHP や Python や Ruby や Perl のような、いやそれどころか JavaScript のようなスクリプトしか書けない人たちなので、コンパイル言語の扱いに慣れていないからだという理由が考えられる(言っておくが、嘲笑する意図はない)。あるいは昨今の CI サービスで固められている開発環境では、IT ゼネコンで Java のコードを書いているブロイラーの鶏みたいな連中も、リポジトリに pull request するまでが担当で、その後に実行されている処理には関与していない可能性がある(それでも会社から受験させてもらってオラクルの資格をもつ「Java プログラマ」だ。でないと、総務省や銀行案件の入札条件を満たせない)。
また、そういう人たちが流行の言語だといって学び始めても、Rust は C 言語よりも更に学習負荷が高いとされていて、実際に難しいという評判があるのは確かだ(上の記事に出てくるような Linux のメンテナーやコミッターといったレベルの人材を基準に考えてはいけない)。そして、そもそもスクリプト言語しか書いてこなかった人たちが、C であろうと Rust であろうと、システム・プログラミングやドライバ開発に使えるベース・レベル(「低級言語」とか「低水準言語」という表現にどうしても違和感があるので、僕はこう呼んでいる)の言語を簡単に習得できるとは思えないし、簡単に使ってもらいたくもないし、Zenn や note などにカスみたいなコードを紹介してほしくもない。そういう意味で、いまのところコードの実例を個人のブログなどで見かける機会が少ないのは、或る意味では健全なことだと思う。十分にできもしないことを論じるものではないからだ(C 言語が扱える僕ですらそうだ)。